法律情報

2016年8月 7日 (日)

就職活動と前科・前歴

 被疑者、被告人から、警察に捕まったことが就職活動に与える影響について相談を受けることがあります。

 典型は、

① 履歴書の賞罰欄に捕まったことを書かなければならないのか、

② 前科や前歴のことを面接でどのように言えば良いのか、

というものです。

 弁護士によって回答は別れると思いますが、私なりの考え方をお伝えさせて頂きます。

 先ず、①の問題についてお話しします。

 結論から言うと、前歴に留まる限り記載しなくても構わないと思います。他方、前科をお持ちお方の場合、賞罰欄に「なし」とは書けません。この場合、賞罰欄を空欄にしておいたり、賞罰欄のない履歴書を使用したりして対処することになります。

 前歴とは、罪を犯したものの起訴猶予になった履歴や、少年時代に処分を受けたりした経歴などをいいます。前科とは分かりやすく言えば、裁判所で有罪判決を受けたことをいいます。

 履歴書「賞罰」欄の「罰」の解釈について、東京高裁(東京高判平3.2.20労判592-77)は、

「履歴書の賞罰欄にいわゆる罰とは、一般的には確定した有罪判決をいうものと解すべき」

と判示しています。

この判例では上告がされていますが、最高裁でも東京高裁の判断は維持されています(最判平3.9.19労判615-16)。

 この判決を根拠にすれば、「有罪判決を受けたわけではないから『罰』はない」という解釈が成り立ちます。ここから前歴である限り賞罰欄には記載しなくても良いのではないかというアドバイスが導かれます。

 他方、確定した有罪判決を受けている場合、賞罰欄に「なし」と記載することはできません。

 しかし、積極的に告知しないことにはそれほどの問題はないと思います。

 前の職場においてセクハラ・パワハラを行ったとして問題にされたことを告知しなかったことを理由とする解雇の可否が問題となった事案ではありますが、東京地裁(東京地判平22.11.10労判1019-13)は、

「告知すれば採用されないことなどが予測される事項について、告知を求められたり、質問されたりしなくとも、雇用契約締結過程における信義則上の義務として、自発的に告知する法的義務があるとまでみることはできない。」

と判示しています。

 少し大雑把に言えば、要するに積極的に虚偽を述べない限り秘匿しておく分は構わないという理解が成り立ち得るということです。セクハラ・パワハラと前科は異なりますが、これを類推することで、賞罰欄を空欄にしておいたり、賞罰欄のない履歴書を使ったりすることは差し支えないのではないかというアドバイスが導かれます。

 次に、②の問題についてお話しします。

 この問題への回答のヒントも上述の東京地裁の判例にあります。

 尋ねられた場合に積極的に嘘を言うことはできませんが、嘘にならない範囲で回答したり、聞かれない限り黙っているという姿勢で臨んだりすることは差支えないのではないかと思います。

 以上が就職希望者、労働者側の立場に立ったアドバイスになります。

 なお、これとは逆に使用者側から前科・前歴のある人の採用を見合わせる方法を尋ねられた場合には、特定の書式の履歴書の使用を指定したり、面接で明確に尋ねたりしておくといったアドバイスをすることになります。

「採用を望む応募者が、採用面接に当たり、自己に不利益な事項は、質問を受けた場合でも、積極的に虚偽の事実を答えることにならない範囲で回答し、秘匿しておけないかと考えるのもまた当然であり、採用する側は、その可能性を踏まえて慎重な審査をすべきであるといわざるを得ない。」

と判示した判例もあるため(前掲東京地判平22.11.10労判1019-13)、採用側には注意が必要です。

(弁護士 師子角 允彬)

2016年6月 5日 (日)

アリバイ会社

 アリバイ会社と呼ばれている会社があります。一般の方には聞きなれない言葉だと思います。法令用語でも学術用語でもないため正確な定義はありませんが、ざっくり言うと、会社に勤務しているという外観を提供する会社を言います。

 主な利用者は、収入が不安定な自営業者、収入が低い方、無職の方、水商売で働く方など、職業面で社会的信用を得にくかったり、勤務先を隠したいというニーズを持っていたりする方のようです。

 アリバイ会社はペーパーカンパニーを設立した上、電話での在籍確認に対応したり、源泉徴収票や給与明細書、名刺、社員証などの発行をしたりして、あたかも顧客がその会社で働いているかのような形を提供します。

 直観的にお分かりになるかと思いますが、このような業者を利用することには適法性に強い疑義があります。

 例えば、アリバイ会社から発行してもらった実所得を反映しない源泉徴収票などを利用して借金をした場合、詐欺罪が成立する可能性が高いです。住宅ローンなど金額が大きい場合には、警察が動く可能性も十分にあります。

 また、無職、無収入であるにもかかわらず、あたかも働いているかのように装って婚活サイト等に登録して交際相手と婚約するなどの行為は、民事上、不法行為を構成するように思われます。婚約者が真実を知った場合、婚約の破棄に加えて慰謝料を請求されるリスクも否定できません。

 アリバイ会社を利用して行うことには、大なり小なり違法性を伴うことが多いように思われます(適法な利用の仕方というものがあまり思いつきません)。違法行為を助長することになるため、アリバイ会社には事業自体の適法性にも強い疑義があります。

 アリバイ会社の利用をお考えの方は、思い止まり、利用を控えることをお勧めします。

 他方、アリバイ会社絡みで損害を受けた方は、加害者だけではなくアリバイ会社に対しても共同不法行為者としての責任を追及して行くことが考えられます。

(弁護士 師子角 允彬)

2014年8月21日 (木)

土砂災害に遭われた方や、支援者の方へ

★一部修正,ダウンロードPDFファイル修正(平成26年8月26日)
★本ブログ記事をPDF化しました。こちらからダウンロードできます→ダウンロード


弁護士の小口です。連日、広島の土砂災害について大きく報じられています。東日本大震災発生当時被災地にいた私としては他人ごとではありません。正直なところ、支援のために広島に飛んでいきたくていてもたってもいられません。

広島の件以外にも、この夏は豪雨による災害が続いています。まずは、被災者の方にお見舞いを申し上げると共に、救助活動にあたられている方々に敬意を表します。

さて、まだ被害の全ぼうがわからない中なので、暫定的な部分もありますが、被災者の方に法律関係の情報提供をしたいと思います(基本的に広島のケースを想定して書いていますが、他の災害にもほとんどのものはあてはまると思います)。

まず、役に立つのは岩手弁護士会ニュースです。これは、東日本大震災後岩手弁護士会が作成した被災者向けのニュースです(私自身、当時被災地である岩手県宮古市におりました)。 
http://www.iwateba.jp/wp-content/uploads/2014/04/news01_02.pdf

1 仮設住宅等
仮設住宅が建つのか建たないのかは、被害の全体像と、空いている公営住宅の数や、親族の家に避難する世帯がどのぐらいになるかによって決まってくると思います。

参考になりそうなのは、昨年10月の台風26号による伊豆大島の土砂災害です。このときは、当初空いていた公営住宅(新築工事が終わって入居前の物件)に一度避難し、仮設住宅を建てるか建てないかを検討した上で、最終的に仮設住宅が建ちました。

今回の場合も、空いている公営住宅を供与する方法か、どこかに仮設住宅を建てる方法か、いずれかの方法で、被災者の方に仮の住まいが提供されることになると思います。

2 被災者支援制度

被災者支援制度の全体像は、内閣府のこの冊子が非常に便利です。
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/pdf/kakusyuseido_tsuujou.pdf

(1) 災害弔慰金
災害により亡くなられた方のご遺族には、災害弔慰金(500万円または250万円)が支給されることになります(制度の詳細については、上記内閣府の冊子をご覧ください)。

(2) 被災者生活再建支援金
住んでいた建物に一定以上の被害を受けた世帯(賃貸の場合借りていた世帯)に、最大300万円の現金が支給される、被災者生活再建支援法という法律があります。

広島の土砂災害については、現時点では被災者生活再建支援法が適用されていません。被害の全貌が明らかになると共に、数日のうちに正式に適用の有無が決まると思いますが、報道をみる限り適用される可能性が相当高いと思います(適用された場合には、内閣府防災のホームページで発表されます)。


★2014年8月22日午前1時追記
8月21日19時の発表で,20日付で被災者生活再建支援法が適用されました。
http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/20140821-8kisya.pdf


適用された場合には、一定以上の被害を受けた場合や、建物を壊さざるを得ない場合に、世帯辺り最大300万円の被災者生活再建支援金が支給されます。詳しくはリンク先をご覧ください。
http://www.bousai.go.jp/2011daishinsai/pdf/080818gaiyou.pdf

・罹災(りさい)証明
被災者生活再建支援金は、後ほど市町村から発行されることになる罹災証明の記載によって、支給されるかどうか、されるとしても金額が決まってきます。

明らかに全壊の場合は問題になりませんが、被害状況によっては、罹災証明に記載された認定に疑問を抱かれるケースがでてくると思います。もしそうなったときは、最寄りの弁護士会に相談するようにしてください(もちろん、事務所にお越しいただけるのであれば私が相談対応させていただきます)。

(3) 二重ローン
報道を見る限り、比較的多額の住宅ローンを抱えた方が多い地域で土砂災害が発生してしまったようです。土砂で家が流れてしまったがローンは残る、という、俗に言う二重ローン問題が、またもや起きてしまいそうです。もしそのような事態になってしまったら、金融機関と何らかの合意をする前に、ぜひ一度最寄りの弁護士会にご相談ください。

3 保険
災害後、気になることといえば、保険の適用があるかないかです。まず、加入していた保険会社がわからないときは、以下のリンク先にお問い合わせください。
損保 → http://www.sonpo.or.jp/useful/icrcd/index.html
生保 → http://www.hoken-saigai.com/

なお、日本損害保険協会に、今回の広島の災害用ページが開設されていました。
http://www.sonpo.or.jp/news/information/2014/1408_09.html

各種保険会社の、問合せ一覧はこちら http://www.sonpo.or.jp/useful/soudan/each/
このサイトの番号に電話をすると、下記の「水災」や「水害」が対象となっている保険か、そうでないかがわかってくると思います。

(1) 家について
土砂災害は、保険約款上「水災」にあたるとされており、火災保険の商品内容によって、保険の対象になったり、対象にならなかったりするのが一般的な状況です。
このサイトが参考になります  http://allabout.co.jp/gm/gc/22873/

総合保険という商品名では対象になっていることが多く、総合保険が別ラインナップである場合の火災保険では対象になっていないことが多い、という傾向にあるようですが、結局は保険契約がどうだったかで決まるので、その確認が必要、ということになります。

うまく確認できないときや、保険会社の説明に納得がいかないときは、弁護士にご相談ください。

(2) 車について
車については、まず車両保険に加入していたかどうかです。車両保険に加入していない場合は、残念ながら原則として保険料の支払いは受けられません。

車両保険に加入していた場合、あとは契約内容次第、ということになります。
いくつかの保険会社を見る限り、地震や津波と違って、安い方のタイプでも対象に含まれていることが多いようですが、「自分の分は?」というときには、やはり契約内容の確認が必要となってきます。お手数ですが各保険会社にお問い合わせください。

こちらも、うまくできないときや、保険会社の説明に納得がいかないときは、弁護士にご相談ください。

(小口幸人)


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2013年5月 8日 (水)

送りつけ商法

近時、送りつけ商法が急増しているようです
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20130504ddlk07040076000c.html)。

送りつけ商法とは、簡単に言えば、注文していない商品を勝手に送り付け、その人が断らなければ買ったものとみなして、代金を一方的に請求する商売のやり方を言います。ネガティブ・オプションと言われることもあります。強引でトラブルを招きやすい手法として古くから問題視されていました。

 最近の手口としては、高齢者の世帯を狙って健康食品を送りつけるケースが多いようです。被害を拡大させる背景としては、加齢により注文したかどうかに関する記憶に自信を無くしている方が多いこと、健康に対する意識が高い年齢層であることなどが考えられます。

 当然のことながら、法律は送りつけ商法を野放しにしてはいません。送りつけ商法は特定商取引法59条1項によって規制されています。これによると、注文してないにもかかわらず一方的に送られてきた荷物は、送られてきた日から2週間待っても業者が回収しにこなければ、開封して中身を好きに処分しても問題がないとされています。

 被害に遭わないために何よりも重要なことは、そもそも身に覚えのない荷物は受け取らないことです。しかし、誤って荷物を受け取ってしまった場合には、送られてから14日間は開封せず放置しておきましょう。そうすれば荷物をどうしようが誰にも文句を言われる筋合いはなくなります。

 14日間放っておいた後で処分したにもかかわらず、業者から代金の請求などが来るようであれば速やかにご相談下さい。不当な請求を止めるよう業者に警告するなど、平穏な生活を取り戻すお手伝いができるだろうと思います。

(師子角允彬)

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2013年1月30日 (水)

離婚後の子どもの姓はどうなる?

離婚の相談を受けていると,離婚後のことについてよく質問を受けます。中でも多いのが,子どもの姓は離婚した場合どうなるかについてです。

 親権を取得した方の親に連動して自動的に子どもの姓も変更すると思われる方も多いようですが,子どもの姓は何も手続きをしなければ両親が婚姻中の姓のまま変わりません。

 対比のために親の姓が離婚によりどうなるか確認すると,婚姻中の夫婦は同じ姓を名乗りますが,離婚後特に手続きをしない限りは旧姓に戻り,婚姻時の姓を名乗り続けるには,離婚日から3ヶ月以内に届け出ることが必要です。

これに対し,子どもは,婚姻中夫の姓を名乗っていた夫婦が離婚し妻が親権を取得した場合でも,夫の姓から親権者たる妻の姓に自動的に変更するわけではなく,子どもが妻の姓になるには必ず家庭裁判所の許可(「子の氏の変更許可申立て」)が必要です。

15歳以上の子どもは単独で氏の変更許可申立てができるので,子の意思で父母のいずれかの姓を選択して名乗ることが可能です。他方,15歳未満の子の場合は法定代理人である親権者が申し立てを行いますが,その子が20歳に達したときには1年以内に届け出ることによって,親権者の届出によって変更した氏(現在名乗っている氏)から,婚姻中の氏に戻すことが可能です。これは,子の氏の変更は親権者の個人的感情も加わってなされることものであるので,子どもの意思を尊重する機会を保障しているとも説明されます。

離婚事件の場合,離婚後の生活を再スタートするため離婚成立後にもう一仕事必要なことが少なくありません。今回は姓の変更について説明しましたが,その他に子どもとの面会交流を具体的にどのように実施するかの取決めや,養育費を支払ってもらうための交渉等が必要になる場合もあります。

私共は離婚後の問題もサポートも行っておりますのでご相談いただければと思います。

(古宮靖子)

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2013年1月 4日 (金)

2013年1月1日から家事事件手続法施行(2)

この1月1日から施行された家事事件手続法。今回は調停期日段階での変更点についてご説明します。

 第1は本人出頭主義の趣旨の徹底です。従来も家事審判規則で本人出頭が原則とされていましたが,家事事件手続法ではそれが直接定められています。それを受けて,東京家庭裁判所では,各調停期日の開始時と終了時に,双方当事者本人立会いの下での手続説明を行うことを予定しています。ですから,相手方と顔を合わせるのが不快だから顔を合わせないようにしてほしい,という程度の理由では,聞き入れてもらえないのが原則となります。ただ,新しい制度開始後しばらくの間は柔軟な運用がされるようですから,心配であれば弁護士と相談してみると良いでしょう。

 第2は電話会議システム,テレビ会議システムによる手続きへの参加が可能になった点です。これらのシステムは主として弁護士が利用することが想定されているようですが,これにより,従前交通費や日当が割高になるので難しかった弁護士選びが比較的容易になると思われます。

 第3は,離婚・離縁を除いて,調停成立の場面でも,裁判所に出頭せずに,電話・テレビ会議システムや,書面
による受諾で成立させることができるようになった点です。これにより,調停成立という重大な局面においても遠隔地の裁判所への出頭の労力を割かなくて良いことになります。但し離婚や離縁は事柄の重要性から例外とされました。

 以上が,一般の方も知っておいた方が良い,家事事件手続の変更点です。率直に言って,一般の方にはやや難しくなったのではないかという気がしないでもありません。家庭裁判所の裁判官,書記官,調停委員の努力に期待したいところですが,私たちも可能な限り適切なサポートをして,新しい法律の良い面を生かして行けるようにしたいと思います。

 桜丘法律事務所ではWEB相談,面談による相談を随時受け付けていますので,お気軽にご相談下さい。

(櫻井)

2013年1月 3日 (木)

2013年1月1日から家事事件手続法施行(1)

 今年から家事事件の手続に利用される法律が,家事審判法から新しい家事事件手続法に変わりました。一般の人も知っておいた方が良い変更点がいくつかありますので,紹介しておきます。

 まず,調停申立の際,従来は申立書のほかには戸籍謄本や住民票の提出が求められる程度でしたが,これからはそのほかにいくつかの定型書式の提出が必要になります。

その1は,「事情説明書」。これは申立の内容に関連する事項を記載する書面です。離婚調停などで,夫婦間に未成年の子がいるときは「子に関する事情説明書」もあわせて提出します。

その2は「進行に関する照会回答書」。調停手続の進行に関する事情を記載する書面です。

その3は「連絡先等の届出書」。裁判所から連絡する際の電話番号や住所を記載する書面です。相手方に知られたくないときはこの届出書の上に「非開示の希望に関する申出書」をホチキスで留めて提出します。

これらの定型書式は各家庭裁判所に備えられていますが,東京家庭裁判所ではホームページからダウンロードすることもできます。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/syosiki02/index.html

作成するのがさほど難しい書類ではありませんが,一般の方にはやや面倒かもしれません。桜丘法律事務所では申立書類作成のサポートもしておりますので,お気軽にご相談下さい。

従来と変わった点の第2は,申立書の写しが相手方に送付されることです。ですから,例えば離婚調停などで,相手方に対する感情的な非難を書き連ねることが却って事態をこじらせるような事態も起こり得ます。この点は注意が必要なところです。

 従来と変わった点の第3は,証拠書類についても通常の民事訴訟と同様に甲(申立人)・乙(相手方)などの符号・番号を付けて,資料説明書とともに,整理して提出しなければならない点です。これは,一般の方にはやや面倒かもしれません。

 以上は申立までの段階で,従来と変わった点です。調停期日の段階での変更点は次回ご説明します。

(櫻井)

2012年12月25日 (火)

ネット掲示板での誹謗中傷

ネット掲示板に誹謗中傷の書込みをされました。誰にどんな責任を問えますか。

書込みの内容によっては、書込んだ相手に対して、書込みの削除、新たな誹謗中傷の書込み禁止、書込みによって受けた損害の賠償を請求することが可能です。弁護士名義で内容証明郵便を送り、それでも相手が応じない場合は、訴訟を行うことが考えられます。特に悪質な名誉毀損の書込みについては、名誉毀損罪で刑事告訴することも考えられます。

書込んだ相手の責任を問う前提として、書込んだ相手を特定する必要があります。書込んだ相手が特定出来ない場合は、プロバイダに対して、書込んだ相手の氏名、住所、メールアドレス、IPアドレス等を開示するよう求めることが出来ます(プロバイダ責任制限法4条1項に基づく発信者情報開示請求)。

書込んだ相手とは別に、掲示板管理者に対して、書込みの削除を請求することも考えられます。掲示板管理者に対する具体的な削除請求後も,掲示板管理者が不当にこれを放置したような一定の場合は,条理上の作為義務違反を理由に掲示板管理者に対して損害賠償請求をする余地もあります(東京高判平成13年9月5日判タ1088号94頁)。

いずれの手段をとる場合にも、書込みのされたページは重要な証拠となります。きちんと保存をしておくことが大切です。

(鏑木)

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2012年12月14日 (金)

東京電力の虚偽表示

現在,複数の原子力損害賠償請求を仲介センターに申し立てて行っています。
その請求項目のひとつに,「生命身体損害」というものがあります。
原発事故により生じた生命身体損害,つまり事故に基づく避難で身体を壊したり病気になったり,あるいは持病の悪化があった場合に請求する項目です。

生命身体損害について請求すると,診断書と通院証明の提出を求められます。
この書面には,事故との因果関係という項目があり,医師によって因果関係が「ある」「なし」「不明」のどれかにチェックがつけられています。

さて,仲介センターに賠償請求を申し立てると,東電からは各請求項目につき認否がされます。
そして,ほぼ例外なく因果関係が「なし」「不明」とされているものに対しては,因果関係が立証できないためお支払いできませんという回答が返ってきます。

では,下記東電のホームページに移動してみてください。
http://www.tepco.co.jp/comp/faq/images/jyokyo.pdf
ここまで言っていることとやっていることが違うと,もはや天晴れという気分になります。
うっかり,選挙で東電の解体を主張している党に票を投じてしまいそうです。

(石丸)

2012年12月12日 (水)

詐欺会社 ㈱明治リサーチ

先般ネット詐欺の被害者の下に性懲りもなくこんなメールが届いた。
以下引用

㈱明治リサーチ
03-4513-1143
※必ずご確認下さい。↓
弊社は身辺調査及び法的書類の内偵調査等を行う、調査機関になります。
現在お客様がご使用中の携帯端末より、以前ご登録されました《モバイル総合情報サイト》における無料期間内での退会手続きが完了されていない為、本会員登録となっております。(本会員登録自動移行については《ご利用規約》に記載があります。)
一切のご連絡がないまま登録料金の未納状態が続いているという事で、運営会社様より料金滞納者の住所確認、悪質滞納者の身辺調査依頼が入りました。
このまま放置されますと、発信者端末電子名義認証を行い、電子消費者契約法に基づき、身辺調査を開始させていただきます。
その後、運営会社様の方でアクセス記録等、詳細書類提出の上、法的手続きを行う事となります。
身辺調査の開始・法的処置への移行の前に、
・訴訟手続きの差し止め
・退会の処理
・お支払い・和解のご相談
をご希望の方は翌営業日正午までに[担当鈴木]までお問い合わせ下さい。
ご連絡なき場合は、即刻ご住所確認及び身辺調査に入らせていただきます。
メールでのご連絡は一切応じられませんのでご了承下さい。

※本通知をもって最終通告となります。

㈱明治リサーチ
03-4513-1143
担当:鈴木
引用終わり

だってさ。本当に懲りないね。暇な人は電話して遊んであげて下さい。

(櫻井)

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