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2025年4月 7日 (月)

遺言もデジタル化

遺言もデジタル化

 

公正証書の作成、証明書等申請のデジタル化が今年中にも実現する見込みです。

(参考)公正証書に係る一連の手続のデジタル化の概要(令和5年2月法務省民事局)

 https://www.moj.go.jp/content/001393138.pdf

 公正証書を作成するには公証役場に赴いて書面を提出し、また公証人が対面で本人確認などを行っていますが、デジタルツールを活用できるとなれば、様々な事情で公証役場には行きづらい一般市民にとって便利になると思います。比較的多く公証役場を利用する弁護士にとっても大きな変化です。対象として公正証書遺言も例外ではなく、公正証書の署名を電子で行ったり、作成・保存を電子データのままで行ったりできるようになる他、公証人が相当と認めれば遺言者の陳述聴取、真意や内容の確認等をウェブ会議で行うこともできるとのことです。

 そして、自筆証書遺言についてもデジタルで作成できるようにする議論が進んでいます。法務省は昨年4月に「デジタル遺言制度」の導入に向けた法制審議会を立ち上げ、法改正に向けた議論を行っています。従前の手書きで作成する自筆証書遺言制度は維持したままで、新たな方式(公正証書ではなくかつ手書きでもない)を法制化するようです。

 そもそも自筆証書遺言は、公正証書遺言と異なり、一定の形式要件さえ満たせばいつでも誰でもどこでも作成できるというメリットがありますが、全文を自筆で記載した文書で作成しておくことが求められています。令和2年から、自筆証書遺言書保管制度が始まり、ようやく財産目録だけはパソコン等を利用したり、不動産の登記事項証明書や通帳のコピー等の資料を添付したりする方法で作成することができるようになりました(目録の全てのページに署名押印が必要)が、「〇〇に・・・・を相続させる」というような本文はあくまでも自筆、要するに手書き作成しなければなりません。私のように文字を書くことは苦手(要するに下手)、そもそもたくさんの字を書くと腱鞘炎になってしまいそうだ・・という方にとって、公正証書遺言とは違った意味でハードルがあるのも事実です。世代を問わず最近は手書きをする機会が減少しており、億劫に思ってしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 そこで、遺言書全文をパソコンで作成できる!となればまた違った世界が広がるというものです。現在、上記の法制審議会で様々な論点が議論されていますが、大まかに言えば、デジタルで作成したものを遺言書としつつ証人の立会いと録音・録画を合わせて要件とするもの、又は何らかの保管制度を組み合わせるもの、パソコン等で作成して印刷したものを遺言書としつつ公的機関が保管申請時に本人確認を行った上で保管することを要件とするものなどの案が示されているようです。検討、議論はまだ続くようなので、さらなる案が出てきて、最終的には複数の方法が新たに制度化される可能性もあります。今後の議論を注視していきたいものです。

 遺言書作成は重大な決断を伴うものですが、方式の選択肢が増えることにより少しでも億劫さが軽減され、自身の意思に基づいた財産の引継ぎができるようになればよいと考えています。

(亀井真紀)

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