改正育児介護休業法の施行
2025年は企業法務に関連する様々な分野で、改正法の施行が予定されています。
その中でも企業の人事・労務の分野に大きな影響を与えるのが、4月1日、10月1日の2回に分けて施行される、改正育児介護休業法です。
改正ポイントは多岐にわたるため、詳細は以下の厚生労働省のホームページをご参照いただければと思いますが、主な改正のポイントは次のとおりです。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html)
【4月1日施行】
-育児関係
①子の看護休暇関係(対象となる子の範囲・取得事由の拡大、除外範囲の縮小)
②所定外労働(残業)を制限される対象者の拡大
③短時間勤務の代替措置としてテレワークの追加
④テレワーク導入の努力義務化
⑤育児休業取得状況の公表義務対象企業の拡大
-介護関係
⑥介護休暇関係(除外範囲の縮小)
⑦介護離職防止のための雇用環境整備の義務化
⑧介護離職防止のための周知・意向確認、情報提供の義務化
⑨テレワークの導入の努力義務化
【10月1日施行】
-育児関係
⑩柔軟な働き方を実現するための措置、個別の周知・意向確認の義務化
⑪仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化
以上の改正ポイントのうち、⑤育児休業取得状況の公表義務対象企業の拡大以外の項目は、全ての企業が対象とされているため、注意が必要です。
改正法に従えば、対象企業には今後、以下のような対応やその準備が求められます。
①②③④⑥⑨(休暇関係、テレワーク関係)に関しては、会社の就業規則等を見直し、改正法の内容を反映させる必要があります。また、③④⑨(テレワーク関係)では、企業に、テレワークを利用できるような体制を整備することが求められます。
⑦(介護離職防止のための環境整備)では、選択した措置に応じて、介護休業や介護両立支援制度等に関する研修を準備したり、相談窓口を設置したりすることが求められます。
⑧(介護離職防止のための周知・意向確認義務)では、介護に直面した労働者への介護休業や介護両立支援制度等の周知、労働者への意向確認などが求められます。
⑩(柔軟な働き方を実現するための措置等の義務化)では、始業・就業時刻等に関する定めの変更を行う場合、就業規則等にその内容を反映させることが考えられます。
⑪(育児をする労働者への意向確認)では、妊娠・出産の申し出時と、子が3歳になる前までの適切な時期に、労働者に対し、仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取を行うこと、それに応じて適切な配慮を行うことが必要となります。
日常の業務もある中で、労働環境整備のために、上述のような多岐にわたる対応を行うことは容易なことではありません。
しかしながら、改正法により求められる環境整備等を実施することは、長い目で見れば、優秀な人材を獲得し、定着させる環境づくり・仕組みづくりに資するものであり、企業にとっても有益であると考えられます。
(櫻井優里)
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