桜丘法律事務所の事務所説明会が冷やかしも歓迎する理由
私が桜丘法律事務所を設立したのは1998年1月のことです。新人弁護士を育てて司法過疎地に派遣するために設立しました。冤罪を防ぐためには被疑者段階の弁護が不可欠であり,そのためには被疑者国選の実現が必須でした。しかし地裁支部管内に弁護士が1人もいないような地域があっては被疑者国選制度の実現もかないません。また,当時そうした地域ではクレジット・サラ金の高利に苦しむ人たちが放置され,事件屋が跳梁跋扈していました。
過疎は過密の対概念ですから,過疎問題は過密都市の弁護士が解決すべき課題です。過疎地域に弁護士を配置するのは地方の弁護士会の責務ではなく,東京の弁護士の責務だと考えました。
弁護士が居ない地域に送る弁護士は,しっかりした力のある弁護士でなければなりません。また,経済面や事件の処理など困難に直面した時には頼れる保証が必要です。そのために,育てて送る事務所,帰って来られる事務所を作りました。
一番の問題意識に被疑者弁護の充実と冤罪防止がありましたので,旧知の間柄であった神山啓史弁護士にお願いして,刑事事件の指導役を引き受けてもらいました。当時「冬の時代」と言われた刑事裁判でしたが,その背景には弁護人の力量不足という問題がありました。判事,検事は組織で教育を受けますが,弁護士にはそのような機会はありませんでした。そこで,毎月の所内勉強会「神山ゼミ」を当初から修習生,若手弁護士に公開しました。
そんな風に作った事務所ですので,まず,司法過疎について知ってほしい,できれば過疎解消のために力を貸してほしい,そして刑事弁護について学び,きちんと刑事弁護ができる弁護士が1人でも多く育ってほしいという願いを伝えるために,事務所説明会を開くことにしました。
ですから,事務所のことを知ってほしい以上に,司法過疎や刑事弁護について興味を持ってほしい,というのが,桜丘法律事務所が事務所説明会を開く理由なのです。
桜丘法律事務所が「冷やかし歓迎」というのはそういう理由からです。
私(櫻井)の話はともかく,刑事弁護のスピリッツに触れたい方は,ぜひ説明会においで下さい。神山弁護士のミニ講義が体験できますよ。
10月24日と10月30日,いずれも18時から,事務所隣の伊藤塾本館203号室で開催します。
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