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2018年2月22日 (木)

当事務所での養成・地方赴任で得られること

 現在、当事務所では、71期司法修習生の採用を受け付けています。

 そこで、今回は、当事務所での養成・地方赴任で得られることを、お話しさせて頂きたいと思います。

 当事務所は元々、弁護士過疎地域を解消するために設立されました。若手弁護士を育成し、任期付きで弁護士過疎地域等に派遣し、任期満了後に事務所に受け入れるというシステムは櫻井弁護士が提唱・創設したものです。

(詳細は当事務所HP http://www.sakuragaoka.gr.jp/kosetsu/ 参照)。

 ひまわり基金や法テラスの制度の草創期から養成・派遣事業に取り組んでいたため、これまで養成してきた弁護士は25名に及びます。新人弁護士を短期間で、独断で適切な事件処理ができるレベルの弁護士に養成する知見に関しては、どの事務所よりも経験の蓄積があると自負しています。

 当事務所で養成・地方赴任で得られることは、大きくいって三つあると思っています。

 一つ目は、やりたいことが好きなだけできるということです。

 弁護士になろうと思われたからには、きっとそれなりの理由があるのだと思います。高齢者や障碍者など社会的に弱い立場の人達を助けたい、冤罪に立ち向かう刑事弁護人になりたい、過労死等の悲惨な事故で身近な人を亡くした方の助けになりたいなど、色々な夢をお持ちだと思います。

 当事務所では伝統的に個々の弁護士がやりたいと思うことを尊重する気風があります。法律事務所の中には、委員会活動や公益活動、外部団体への参加など、いわゆる事務所の収益に直結しにくい活動に勤務弁護士が関与することに良い顔をしないところもありますが、当事務所では寧ろ所内に閉じこもるよりも、外部に出て色々な人と交流し、経験を積んでゆくことが奨励されています。

 二つ目は、弁護士としての基本的な技術を短期間で習得できることです。

 弁護士が少ない地域に赴任したら、その地域で生じてくる問題は、基本的には何でも処理できなければなりません。どのような問題に直面しても、適切な事件処理ができるよう、当事務所では新人弁護士に様々な事件類型を経験してもらうことを重視しています。不動産、交通事故、消費者、家事、刑事、中小企業法務、労働など、基礎的な事件は一通り経験できます。都市型公設事務所では公設事務所という特徴からどうしても事件の質に一定の偏りが生じてしまいますが、当事務所での養成ではそうした偏りの心配はありません。

また、事件を共同受任しながらのOJTでは、労働力になってもらうことよりも教育的効果を上げることを重視しています。これが短期間で適切な事件処理のできる弁護士を養成・派遣してきた実績に繋がっているのではないかと思います。きちんと勉強して頂ければ、1年ないし1年半後には、単独でもベテランの先生と渡り合える一人前の弁護士になることができます。

三つ目は、経験に裏付けられた確かな自信です。

ひまわりであれ、法テラスであれ、地方に赴任すると、基本的には、自力で、何でもやっていかなければなりません。受任ルートの開拓、事件処理、事務所運営、地域での問題の発見、地元との関係づくり、縁もゆかりもない地域でこうした仕事に取り組むことは、困難ではあります。しかし、これを乗り切った後では、肚さえ括れば、どんな地域でも、どんな仕事でもやり切ることができるという経験に裏付けられた確かな自信を手に入れることができます。このような自信は、都市部で勤務弁護士を続けているだけでは、なかなか得られにくいのではないかと思います。

私は長崎県の法テラス佐世保法律事務所への3年間赴任していました。楽しいことも、困難なことも色々ありましたが、どれも良い思い出で、任地のことは第二の故郷のように思っています。

 事務所訪問は随時受け付けておりますので、ご興味がおありの方がおられましたら、ぜひ、ご連絡ください。応募を前提とせず、取り敢えず話だけでも聞いてみたいという方でも全く問題ありません。

(弁護士 師子角 允彬)

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