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2016年12月19日 (月)

かつて原野商法に引っかかった方へ

最近、昭和50年前後に原野商法に引っかかった方の名簿が悪質業者に出回っているようです。引っかかったのはご自身とは限りません。既に亡くなられたお父様、ご夫君が被害者であった場合、その子どもや妻のもとを悪質業者は訪問しています。

 業者は、あなたの自宅を訪問して、「あなたのお持ちの土地を1000万円で買いたい」等と言います。価値がないと思っていた土地に思わぬ買い手がついてあなたは乗り気になりますが、業者は続けて登記費用、整地代、税金という名目で順次あなたにお金を払わせます。最初の登記費用は50万円程度なので、割と気軽に払ってしまうのですが、これが心理的罠になっており、もう払ってしまったものがあるから何としてもこの取引を成立させたいと思うあまり、続けて「滞納税金が何百万ある」「この取引で支払うべき税金が何百万ある」と言われて、数百万円、場合によっては1000万円以上を支払ってしまうのです。領収書はくれますが、領収書の名目は「土地売買」です。

 業者は売買契約書を作ると言って、あなたに契約書にサインをさせます。中身をきちんと見せてくれることはありませんが、老眼のあなたは、業者の口頭での説明を信じてサインしてしまいます。ポイントは、あなたが「買主」になっていることです。つまり、この契約書は、あなたが土地を売ってお金を得るのではなく、どこかの見知らぬ土地を買ってお金を払うという契約書になっているのです。かくしてあなたは、さらにいらない土地を売りつけられた格好になり、何百万~何千万を失ってしまうのです。

 最近立て続けに、渋谷区に本店を置く同じ業者に対する相談が来ます。この手の業者は、全て現金取引です。会社や従業員が使用している電話等も、全て請求書払いで、決して口座を使いません。被害者から口座の差押を受けることを避けるために、最初から会社名義の口座を使わないのです。本店所在地にも、机といすと電話くらいしか置いていません。被害者から受け取った現金は、決して会社名義の拠点や口座には置かないのです。宅建業者の資格は有していますが、これによって納めている保証金は60万円しかないので、ほとんど回収できません。訴訟を起こされても、業者は気にしません。最初から財産を隠して詐欺を行うので、差し押さえられるものは何もないと確信しているからです。

 もっともよいのは、お金を渡したり何かにサインをする前に誰かに相談することですが、仮に既にお金を渡してしまっていた場合は、騙されたふりをしていてください。騙された体で、①警察に通報します。今後お金を取りに来るときに、オレオレ詐欺と同様に待ち構えていて捕まえてもらえれば、ある程度捕まった個人から金銭の回収ができるかもしれません。②警察が他に証拠がなければ動けないと言った場合は、騙されたふりで業者を呼び、業者の言動を録音してください。警察が動けない最大の理由は、あなたを騙している「嘘」をついたことが立証できないことにあります。録音は、場合によっては声紋分析にも使えるので、強い証拠になります。

 高齢者のみの世帯には、最近実に頻繁に詐欺師が訪問したり電話したりしています。周囲の見守りの目が被害を未然に防ぎ、場合によっては後からの回収も可能にします。悪質業者の撲滅のために、周囲の方々の協力をお願いします。

(石丸 文佳)

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