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2016年5月

2016年5月23日 (月)

不動産の強引な訪問販売2

前回は居住用マンションを売りつけられそうになったケースについて説明しました。

しかし、近時は投資目的ないし事業用のマンションを売りつけられるケースも珍しくありません。

事業用にマンションを売りつけられた場合には、自分で住む居住用のマンションを買った時よりも契約の効力を否定しにくくなります。業者から消費者契約法の適用を争われることがあるからです。事業として契約の当事者になった方は、消費者契約法が定義する「消費者」にあたりません(消費者契約法21項)。投資用マンションの場合、この規定との関係で消費者契約にあたるのかが争われる場合があります。もちろん、投資用マンションだからといって直ちに消費者契約であることが否定されるわけではありません。しかし、居住用マンションの場合との比較で救済を難しくすることは否めません。

したがって、投資用のマンションの購入をしつこく勧誘された場合には、毅然と断り続けることが何よりも重要になります。勝手に家に押しかけてきた人が帰れと言って帰らない場合には、不退去という犯罪(刑法130条後段)が成立します。ある程度言って聞かなければ、これを根拠に警察を呼ぶことも考えられます。

ただ、押されてつい申込をしてしまった場合について、救いがないかといえばそういうわけでもありません。不動産の売買契約は申込書の提出、銀行への融資の申し込み、正式な売買契約書の取り交わしなど成立に向けて段階を追っていくのが通常です。単に申込書を出しただけに留まっている場合、「本契約の締結はしません。」と宣言すれば、契約の不成立を理由に代金の支払いを免れられる余地も十分にあります。被害にあった後、時機を失せずに(すぐに)弁護士のもとに相談に行けば、不本意な契約に拘束されることを防げる可能性があります。仮に契約に拘束されるとしても、早期であれば業者に損害が生じていないことを理由に高額の損害賠償は防げるのではないかとも思います。

 近時の悪徳業者の手口は昔に比べるとずっと洗練されています。裁判で負けたり行政から指導・処分を受けたりするたびに営業のスタイルをちょっとずつ修正してきます。例えば、居住用マンションの販売で負けたから、今度は投資用マンションを売るといったような例が典型です。普通の業者は間違いを犯したら根本的な改善を試みますが、悪徳業者は何か特殊な信念でも持っているかのように常に法律ギリギリのラインを狙ってトライ・アンド・エラーを繰り返してきます。

 法文はインターネットで公開されていますが、消費者関係の法律は使い手である一般の消費者では読みこなせないほど難解であることが珍しくありません。特定商取引法などはその典型と言っても良いと思います。

 一般消費者が一人で悪徳業者に立ち向かうのは難しいのが実情です。

 時間が経てば経つほど契約の効力は否定しにくくなります。お困りの時は、できるだけお早目にご相談ください。

(弁護士 師子角 允彬)

不動産の強引な訪問販売1

先日の法律相談で、強引に居住用マンションを売りつけられそうになっていた方がいました。いきなり家に訪ねて来られ、帰ってほしいと言っても帰ってくれず、4時間近くも購入の勧誘を受けたとのことでした。

 訪問販売を受けて契約を申し込んだ場合、クーリングオフできること(法定書面を受け取った時から8日間以内であれば無条件に契約を解除できること)は良く知られています。

しかし、不動産の購入に関しては、クーリングオフしにくいのが実情です。

 訪問販売を受けた消費者がクーリングオフできることは特定商取引に関する法律に定められていますが、これには適用除外があります。宅地建物取引業法に定める「宅地若しくは建物(建物の一部を含む)」の販売もその一つです。建物の一部というのは、要するにアパートやマンションの一室のようなものです。したがって、居住用マンションの一室を販売するといった取引にはクーリングオフの適用はありません。

 不動産の購入は訪問販売による場合であっても簡単にはなかったことにできないので注意が必要です。

 では相談のようなケースが救済されないのかと言えば、そういうわけではありません。

 消費者契約法43項は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、消費者から退去を求められたにもかかわらず退去しなかった場合について、困惑して契約を締結する意思表示をしてしまった消費者に対し、契約を取り消す権利を認めています。

 冒頭のような事案の場合、仮に契約を結んでしまっていたとしても、消費者契約法43項に基づいて契約を取り消すことが考えられます。

 自宅に押しかけてきた業者から強引な営業をかけられた場合、きちんと「帰ってください。」ということを言っていたのかどうかが重要なポイントになることもあります。このことはもっと注意喚起されて良いように思われます。

(弁護士 師子角 允彬)

2016年5月12日 (木)

6月,7月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で行います。

日時
6月16日(木)午後6時から午後8時頃まで
7月12日(火)午後6時から午後8時頃まで

 

場所
伊藤塾東京校521B教室

 

http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹,修習生,学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に,現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。

特に,実務家の方からの,現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。
方針の相談や,冒頭陳述・弁論案の批評等,弁護活動にお役立ていただければと思います。
なお,進行予定を立てる都合上,受任事件の持込相談がある場合には,参加連絡の際にその旨伝えていただけると助かります。

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を鈴木彩葉(suzuki@sakuragaoka.gr.jp)までご連絡下さるようお願いします。

※スパム対策として,@を全角にしています。半角の@に変換して送信してください。

[件名] 6月の神山ゼミ(7月の神山ゼミ)
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・持込相談の事件がある場合にはその旨を。

皆様のご参加をお待ちしています。

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