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2016年1月10日 (日)

教科書謝礼問題

 教科書会社2社が,検定中の教科書を教員らに見せて謝礼を渡していたことが問題になっています。報道によれば,義家文部科学副大臣は,「我が国の教育全体を失墜させる事態だ」と強く批判したとのことです。

 ここではどうも,「見せることを禁止されている検定中の教科書を見せたこと」と「謝礼を支払ったこと」の2点が問題にされているようです。

 この問題について,私は,謝礼を支払ったことは不適切だけれど,検定中の教科書を見せたことについては,見せることを禁止していることがおかしいのであって,これを見せたこと自体は非難すべきではないと思っています。多くの国民がこの報道で「問題だ」と考えるのも,私同様,謝礼の点に関してのみだと思います。

 私は,4年に1度採択される教科書については,なるべく多くの人,とりわけ現場の教員の意見が十分に取り入れられて採択されるべきだと考えています。採択直前の限られた場所でのみ公表される現在の在り方は,むしろ広い意見を取り入れる余地を少なくするものであって,望ましいとは思えません。

 私は大田区で8年間教育委員を務め,小学校,中学校とも2度の教科書採択にあたりましたが,私自身が見つけた誤記や不正確な記述がいくつもありました。事前に多くの教員の目に触れるようになっていたら,そうした誤記等もより早い段階で訂正されていたことでしょう。

 私はむしろ,多くの教科書会社が,採択前に自社の教科書の良さをどんどんアピールする場を設けられるようにしたら良いと考えています。教員や教育委員は自由に参加して,説明を聞きながら各社の教科書の優劣を見極めることができる。閲覧スペースの隅に休憩スペースを設けてコーヒーと菓子パンでもあれば結構。もちろん謝礼なんか不要です。

 そうすれば教科書採択も,より開かれたものになるでしょう。こそこそやるから不正も起きやすいのです。

 今回の問題が教科書会社を委縮させ,教科書採択がより閉鎖的なものになることを危惧するものです。

(櫻井光政)

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