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2014年1月

2014年1月29日 (水)

神山啓史弁護士,司法研修所教官に決定

 当事務所の神山啓史弁護士がこの度司法研修所の刑事弁護教官に就任することが決まりました。意外に思う方も多いと思いますが,第二東京弁護士会から5度目の推薦を受けての決定でした。

 言うまでもなく,神山弁護士はわが国を代表する刑事弁護人の一人です。第二東京弁護士会は20年近い昔,4度に亘って神山弁護士を刑事弁護教官に推薦してきましたが,採用されませんでした。私は当時,弁護士の誰もが認める刑事弁護人を推薦しているのに採用しない最高裁・司法研修所に対して憤りを禁じ得ませんでした。

 その後神山弁護士は桜丘法律事務所に加わり,東京電力OL殺人事件の1審無罪獲得,足利事件再審無罪獲得,東京電力OL殺人事件再審無罪獲得など,大きな成果を上げる傍ら,若手弁護士・修習生に公開の神山ゼミを開催するなどして,独自に若手弁護士の教育に尽力してきました。最近では検察庁や警察大学校で講義を依頼されたり,司法研修所で裁判官の研修の講義を依頼されたりするようになりました。東京大学の法科大学院でも講義を担当するようになりました。

 この間刑事裁判の実務も大きく変わり,被疑者弁護制度が誕生し,裁判員裁判が実施されるようになりました。刑事弁護人の果たすべき役割がますます大きくなってきたと言えます。

 第二東京弁護士会は満を持して,もう一度神山弁護士を推薦しました。弁護の技術も,教育の技法も,いずれを取っても神山弁護士に勝る弁護士はそうはいないからです。神山弁護士は二つ返事でこれに答えました。

40代が適齢期とされる司法研修所教官の職に58歳の神山弁護士が5度目の挑戦をすること自体,見る人によっては無謀ともいえる挑戦でしたが,ついに最高裁・司法研修所は神山弁護士を刑事弁護教官として迎え入れる決定をしました。遅すぎる決定ですが,今最も求められていた決定だと思います。

私たち桜丘法律事務所の同僚弁護士は,誇りをもって,神山啓史弁護士を司法研修所に送り出したいと思います。


(櫻井光政)


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2014年1月27日 (月)

2月,3月,4月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で行います。皆様のご参加をお待ちしています。

日時
2月28日(金)午後6時から午後8時30分頃まで
3月17日(月)午後6時から午後8時30分頃まで
4月16日(水)午後6時から午後8時30分頃まで

場所
伊藤塾東京校 521B教室
http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹、修習生、学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。

特に,実務家の方からの,現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。方針の相談や,冒頭陳述・弁論案の批評等,弁護活動にお役立ていただければと思います。なお,進行予定の都合上,受任事件の持込相談がある場合には,参加連絡の際にその旨伝えていただけると助かります。

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を池田征弘までご連絡下さるようお願いします。

[件名] 2月の神山ゼミ(3月の神山ゼミ,4月の神山ゼミ)
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・持込相談の事件がある場合にはその旨を。

2014年1月15日 (水)

「永遠のゼロ」を観ました

映画「永遠のゼロ」を観ました。日本の戦争映画は基本的に観ないのですが、観客動員数が多く、好意的な評価が多いことと、これに対して宮崎駿監督が批判的な評価をしているらしいという報道に接したことから、自分の目で確かめてみようと思いました。

念のため、予めお断りしますが、私は映画通でもありません。また、太平洋戦争やそれに先立つ日中戦争は起こしたことが間違いだと思っていますし、百歩、千歩、あるいは一万歩譲って起こしたことが仕方なかったとしても、その戦争を指揮した指導部の無能ぶりは本当に腹立たしいものだと思っています。その故もあって、日本の戦争映画は基本的に観ないようにしているのです。だから、映画に造詣の深い人の映画評ではなく、そういう考えを持つ個人の感想であることを予めお断りする次第です。

その上での感想は、一言で述べれば「作りすぎた、エンターテインメントとしての戦争映画」という印象でした。娯楽映画としてはそこそこ面白かったですが、若者が祖父の生い立ちを探るという迫り方も、祖父にまつわる様々なエピソードも、どちらかというとステレオタイプな印象を受けましたし、それぞれのエピソードの内容のいくつかが「作りすぎ」という印象でやや鼻白んだりしました。戦争を美化しているとは思いませんでしたが、これを見て非戦や反戦の気持を持つようになる人もいないだろうと思いました。ただ、それは、娯楽映画なので、それで良いのではないかと思います。

それでも何度も涙があふれました。それは、70年後の今日から見れば、あんなに馬鹿げた、あんなに無能な指揮官に指揮された戦争に、若者たちの命が消費されたことの悔しさ、気の毒さからです。指導者が、人の命を大切と思えば、あれほどの犠牲を余儀なくされる前に降伏の途を選んだはずだと思うからです。

私の祖父は海軍の下士官(兵曹長)でしたが、昭和19年2月の米軍によるトラック島空襲で乗務艦(潜水母艦平安丸)を撃沈され、総艦退避命令の中で九死に一生を得ました。このときの彼我の損害は、米軍の戦死者わずか40名とされるのに対し、日本軍の地上での戦死者は400名、海没による戦死者は7000名にも達したとされています。冷静に分析したら、こんな戦いを続けても勝てないことがわかるはずですが、日本はここから更に1年半も戦争を続けました。

指導者自身が責任を取ることを恐れて、勝ち目がないと分かってからも降伏の決定が出来ませんでした。最後の最後まで決断する責任を取らず、天皇の聖断を仰ぎました。しかもそれまで自身が表明し、部下に強要していた価値観に反し、自決すらしませんでした。

私は、今戦争映画を観るなら、指導者の無能と無責任をきちんと描いたものが観たいです。無能な指導者を選ぶとどんなにひどい目に遭うか、私たち日本国民は改めて思い起こす必要があると思うからです。

(櫻井光政)


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2014年1月14日 (火)

元勤務先からの国家試験の受験妨害(実務経験を証明してくれない)

資格試験の中には、一定の実務経験のあることで受験資格が与えられるものがあります。

介護福祉士もその中の一つです。福祉系高校や養成施設を出ていない場合、介護福祉士国家試験を受験するには3年以上の実務経験が必要になります。

 実務経験を証明する書類は勤務先に書いてもらうのが一般です。複数の事業所での実務経験を合算して所定の期間を満たす場合には、それぞれの勤務先に証明書を書いてもらうことになります。

 現在の勤務先が実務経験を証明する書類の作成を拒むことはあまりありません。労働者のスキルアップは事業者のメリットにも繋がるからです。

しかし、過去の勤務先になると話が違ってきます。過去の勤務先に実務経験を証明する書類の作成を依頼したところ、これを拒否されたという例が相当数あるようです。私自身も介護福祉士試験の受験生から同様の相談を受けたことがあります。近時、辞めさせてくれない会社が問題になっていますが、必ずしも円満に退職できなかった場合、こうしたトラブルに陥ることが多いようです。

 当然のことながら、事業者が嫌がらせをする目的で実務経験を証明する書類の作成を拒むことは違法です。

 労働基準法22条1項は「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。」と規定しています。

 見解に議論はあるようですが、実務経験証明書は労働基準法22条1項の「証明書」に含まれるという見解も有力に唱えられています。私が相談を受けた事案でも、労働基準監督署に行政指導してもらうよう助言したところ、実務経験証明書の発行を受けられたとのことでした。電話で確認したところ、当該労働基準監督署は実務経験証明書を労働委基準法22条1項の「証明書」に含まれるという解釈を採用しているとのことでした。日本全国で同じ運用がされているのかまでは分かりませんが、少なくとも事業者に行政指導をしてくれる労働基準監督署は確かに存在します。

 介護福祉士試験で実務経験証明書が得られない場合、「給与明細書、雇用契約書、介護サービスの提供に係る記録書類等により、業務従事期間等を証明することで差し支えない」とされています(内閣衆質168第202号 平成19年11月16日 内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 町村信孝
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a168202.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b168202.htm)。

実際の試験でも国会答弁を受けて比較的柔軟な取り扱いがされているようです。そういう意味において実務経験証明書は必須の書類ではありません。

 しかし、書類の発行を円滑に受けられるのであれば、それに越したことはありません。

 同じような問題でお困りの方は、労働基準監督署なりお近くの法律事務所なりに相談してみて頂けるとよろしいかと思います。

(師子角 允彬)


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2014年1月 7日 (火)

散骨するときの注意点について

散骨とは亡くなった方の遺骨を粉にして海や山にまく葬礼をいいます。

近時、ご自身の遺骨を散骨して欲しいという方が増えつつあります。背景には、自然に還りたい・子ども達にできるだけ負担をかけたくないという思いを持つ方が増えたほか、お墓の取得に相当な費用が発生することもあるようです。

散骨を直接規制する法律は現在のところありません。

しかし、注意して行なわなければ思わぬトラブルを招くこともあります。そこで今回は散骨にあたっての留意点についてお話しさせて頂きます。

 まず、散骨する遺骨は粉状に砕いておくことが必要です。遺骨をそのまま海中等に投棄した場合、遺骨遺棄罪(刑法190条)に問われる可能性があります(前田雅英編集代表『条解 刑法 第2版』501頁〔弘文堂,平成19年〕)。業者に粉骨を依頼する場合は特に問題ありませんが、ご遺族にご自身の散骨を依頼する時には、申し送り事項として言い添えておいた方が良いだろうと思われます。

 また、許可なく他人の土地に撒くことが許されないことは当然ですが、海や自分の土地に撒く時にも注意が必要です。

漁場に撒けば漁業権者からクレームを受ける可能性があります。海に撒く場合には陸地から離れた公海上に撒くなどの配慮を行うことが望ましいとされています。

陸地の場合、自宅の庭への散骨は控えておくことが無難です。自宅の庭への散骨には死者を永続的に弔う墓地新設の要素があるからです(茨城県弁護士会『墓地の法律と実務』〔ぎょうせい,平成13年〕)。墓地の設置には都道府県知事の許可が必要です(墓地、埋葬等に関する法律10条)。無許可で墓地を設置することは許されていません。

また、東京都で墓地設置の許可を得るためには、住宅等からおおむね100メートル以上離れている必要があります(東京都墓地の構造設備及び管理の基準等に関する条例6条1項3号)。この点からも自宅の庭に散骨できるかは疑問です。散骨してしまうと近隣住民から慰謝料を請求されかねません。

ただ、これらは主に遺骨の全てを撒く場合を想定した注意点です。一掴み分の粉を自宅の敷地にそっと埋めたりする分には墓地の新設などと仰々しく考えなくても良いだろうと思います。海に撒く場合も、遺骨の極一部であれば、あまり神経質になる必要はないと思います。

(師子角允彬)

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2014年1月 3日 (金)

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします。

桜丘法律事務所は1998年に開設以来満16年になります。在席弁護士の経験年数も、5年以上の弁護士が12名、うち5名は経験10年以上となり、多くが中堅、ベテランとして力を発揮しています。
昨年も、いくつもの難事件に取組み、これを解決して参りました。
今年も所員一同一層精進して、皆様のお役に立てるよう努力する所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。

甲午元旦
桜丘法律事務所代表弁護士
櫻 井 光 政

プロの仕事

プロの仕事をする,私が日々意識している課題です。

かなり前の話になりますが,とある報道機関の記者から「若手弁護士の苦しい現実」というテーマでの取材申込がありました。(テーマの是非はさておき)何か参考になる話ができれば良いなと思い快く取材を受けたのですが,取材対象者である私について記者が何のリサーチもしてきておらず,私の所属事務所がどんな事務所なのか,どんな仕事をしているのかについて全く知りませんでした。

私は何だかがっかりしたのと同時に寂しくもありました。取材においては事務所の説明から始めざるを得ず,しかも私は期待に添った答えもできず,時だけが無情に過ぎていくというやるせない時間を過ごしました。

素人ながらの意見ですが,記者にとって記事を書くための取材とは,弁護士にとって書面の前提となる事実確認と同じくらいに大切なものだと思います。そうだとすると,弁護士が依頼者からお話を窺うときと同様に,取材対象者について前提として調べておくべき情報については取得し理解しておくのはプロとして当然の仕事ではないでしょうか。

 と色々と勝手なことを思いながら私は自分が「プロの仕事」として常に誇りを持てる仕事をしているか,と自問自答するのです。依頼者に対して,相手方に対して,裁判所に対して,私はプロとしての仕事をしているか。法的知識のアップデートはもちろんのこと,世の中の動きの把握,話の聴き方や挨拶の仕方など所作に関することまで「プロ」としての仕事をしているか。振り返ってみると日々反省することも多いのが現実です。しかし,一つ一つ気付いて同じことを繰り返さないように精進していく他ありません。

常に自分が「プロ」であることを自覚しなければいけないと,報道のプロの仕事に触れて改めて思いました。

(國松里美・法テラス千葉赴任中)

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