買え買え詐欺
最近流行の高齢者に対する詐欺の有名な手口は,その名も「買え買え詐欺」。
要はダイヤモンドや土地を買わされるのですが,その手口が巧妙なのです。
例えば,貴方のもとに,ある日Aさんという人から一本の電話が掛かってきます。Aさんは,
「X社のパンフレットが届いていませんか。客層を信用ある限られた人に絞って販売しているのですが,残念ながら私は選にもれてしまいました。でも,とても良い品で,持っておくと今後多大な収益を上げることができそうなので,どうしても欲しいのです。私の代わりに申し込んでくれませんか。お金は私が払います。代わりに申し込んでくれたら,お礼に○万円を差し上げます」と言います。
貴方が考えさせてほしい,と言って電話を切ると,次々に似たような電話が掛かってきたり,あるいは
「X社のダイヤモンドをお持ちではないですか,持っていたら私に売ってください,元値の3倍で引き取ります」
等という電話まで来るようになります。
貴方は,随分良い物のようだ,話を信用してもよいのではないか,仮にAさんがお金を払ってくれなくても高値で買い取ってくれる人がいるなら問題ないだろうと思い,申し込みをしてしまいます。
すると,X社は,早期の金銭の支払を請求してきます。Aさんは,お金の都合が月末になったら付くので立て替えておいてほしいと言います。X社は,限られた数しか存在しない品を貴方の申し込みで取り置いてあるのだから,今購入を止めるというなら貴方が高額な違約金を払うことになると脅してきます。仕方がないので,貴方は自分のお金で立て替えてしまうのです。
さて,上記小噺の登場人物は,一人残らず全員がグルです。ダイヤモンドや土地の権利証は送られてきますが,これには何の価値もありません。購入後は,買い取ってくれるという人からの連絡もなくなります。こうなってからではほとんどの場合手遅れです。
できれば実際にお金を払ってしまう前に,また,もし支払ってしまった場合はすぐに,弁護士にご相談ください。
(石丸文佳)
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