送りつけ商法
近時、送りつけ商法が急増しているようです
(http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20130504ddlk07040076000c.html)。
送りつけ商法とは、簡単に言えば、注文していない商品を勝手に送り付け、その人が断らなければ買ったものとみなして、代金を一方的に請求する商売のやり方を言います。ネガティブ・オプションと言われることもあります。強引でトラブルを招きやすい手法として古くから問題視されていました。
最近の手口としては、高齢者の世帯を狙って健康食品を送りつけるケースが多いようです。被害を拡大させる背景としては、加齢により注文したかどうかに関する記憶に自信を無くしている方が多いこと、健康に対する意識が高い年齢層であることなどが考えられます。
当然のことながら、法律は送りつけ商法を野放しにしてはいません。送りつけ商法は特定商取引法59条1項によって規制されています。これによると、注文してないにもかかわらず一方的に送られてきた荷物は、送られてきた日から2週間待っても業者が回収しにこなければ、開封して中身を好きに処分しても問題がないとされています。
被害に遭わないために何よりも重要なことは、そもそも身に覚えのない荷物は受け取らないことです。しかし、誤って荷物を受け取ってしまった場合には、送られてから14日間は開封せず放置しておきましょう。そうすれば荷物をどうしようが誰にも文句を言われる筋合いはなくなります。
14日間放っておいた後で処分したにもかかわらず、業者から代金の請求などが来るようであれば速やかにご相談下さい。不当な請求を止めるよう業者に警告するなど、平穏な生活を取り戻すお手伝いができるだろうと思います。
(師子角允彬)
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