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2013年4月 9日 (火)

ストーカー被害について

先月14日に警察庁がストーカー事案への対応状況を発表しました。認知状況は前年比36.3%増で、法施行後最多とのことです
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/24DV.pdf)。
 ストーカー被害に関する相談は当事務所にも寄せられています。

 上述の警察庁の統計で52.5%を占めていることからも分かるとおり、加害者の属性として最も多いのは交際相手(元交際相手を含む)です。

 交際相手がストーカーになる場合、加害者は交際期間中に知った被害者の住所・勤務先・交友関係・家族関係などの個人情報を利用してストーカー行為に及びます。そのため、被害は周りを巻き込んで拡散して行く傾向にあります。被害者は家族・友人・職場の同僚など身近な人が巻き込まれて行くのを目の当たりにして、どこかの段階で加害者の要求に応じてしまいがちです。

また、加害者は交際期間中に撮影した性交渉中の写真等を利用して脅迫してくることもあります。そのような写真が存在すること自体に意外な印象を持たれる方が多いとは思いますが、実際に法律相談にあたっている者の印象として申し上げると決して珍しい事例ではありません。こうした場合、相談すること自体の恥ずかしさや写真を撮影させたことへの自責の念から、被害者は泣き寝入りを強いられがちです。

 粘着質な行為を見せつけられると、ストーカーは解決が困難な事件類型のようにも思われます。被害者の中には「この人からはどうやっても逃げられない。」と絶望している人も珍しくありません。

 確かに、解決の困難な事例が存在することは事実です。しかし、それは極少数です。ストーカー被害の殆どはそれほど解決の難しい事件ではありません。加害者の違法行為を指摘して弁護士名で警告を発すれば、概ねの事案でストーカー行為は止まります。この段階で止まらなくても、警察に被害を申告して警告を発してもらえれば、大多数の事案は解決します。警視庁の発表によると警告を受けると約90%の者が行為を止めているようです(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/stoka/stoka.htm)。残りの10%も実際に警察に検挙してもらう等の方法で相当数が解決していると思われます。

 深刻な被害を避けるためにはストーカー行為がエスカレートする前に法律に基づいて毅然とした対応をとっておくことが重要です。一生ストーカーにつきまとわれる人生を選ぶというわけでもない限り、遅かれ早かれストーカーには立ち向かわなければなりません。

 弁護士は違法行為を抽出してストーカーに警告を発することができます。ストーカー行為の差止めを求めて出訴することができます。損害の賠償を請求することもできます。警察に対して被害を的確に伝えることをお手伝いすることもできます。告訴を代理することもできます。弁護士というと罪を犯した人や罪を犯したと疑われている人を守るイメージがありますが、犯罪の被害者を助けるためにも色々なことができます。

 もし、ストーカー被害を受けて悩まれている方がいれば、ぜひ一度相談にいらしてください。また、お知り合いにストーカー事件の被害者がいる方は、ぜひ被害者に当事務所のことを知らせてあげてください。解決までに要する期間に長短はあるものの、勇気を出して一歩踏み出して頂ければ平穏な生活は必ず取り戻せます。

(師子角允彬)

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ウェブ上の簡易な無料相談もやっています。こちらへどうぞ。

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