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2013年3月

2013年3月27日 (水)

裁判所に対する敬意

最近、裁判所に行って思うこと、なんだか弁護士のマナーがなっていない。

例えば、バタンと大きなドアの音を立てて法廷にずかずかと入って来て、ドンと大きな鞄を机に置いて、周りに目を配るでもなく、しばらくたってから、相手の弁護士の顔を盗み見る。同業者なんだから、会釈ぐらいしようよ。

 裁判官が入って来たときは、さすがに立ってお辞儀をするけれど、そのお辞儀は中腰で、きちんと立たない。途中の問答は座ったまま、うーん、裁判官と話しをするときは、きちんと立とうよ。今の研修所では教えないのかな、

それとも、単に今時の若い人に有りがちな「挨拶しない」という風潮が、法曹界にも押し寄せて来ているというだけなのかな? それに目くじらを立てる私は、単なる年寄り?

 でも、でも、です。 私には裁判所に対する敬意の無さが態度に表れているとしか見えない。心の中に裁判所に対する敬意を持っていたら、それは自ずと態度に表れるはず。

 何をいう、今の裁判所に対して、尊敬なんかできるか、裁判官なんて敵だと思う人もいるかも知れない。
 たしかに、一部に分からず屋の裁判官もいれば、何をそんなに威張っているのと思う裁判官も居ないわけではない。

 ただ、この日本国の公正、正義を守る最後の砦は、司法なんです、裁判所なんです。日本が法治国家であるための大事な役割を担っているのが裁判所なんです。裁判所に対する信頼なくして、この国の秩序は成り立たないといっても過言ではありません。

 裁判所に権威を持たせるのは、国民の信頼です。私たち弁護士は裁判所が権威を保つための役割の一端を担っているのだから、ときには、裁判所の誤りを正すことも有っていい、それによって、結果として、その権威をきちんと支えてこそ、私たち弁護士の仕事が意味を持ってくるのだと思うのだけど、違うのかな。

(神山昌子)

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2013年3月26日 (火)

不法行為を受けた被害者はいつまで請求可能か?

たとえば、怪我を負わされた被害者が、100万円の損害を被ったとします。しかし、請求しても加害者は「自分が怪我させたことは認めるが、今は手持ち不如意」などと言ってお金を払ってきません。

30年後、加害者は宝くじを当てて金持ちになりました。さて、被害者は30年前の100万円の損害を加害者に払ってもらえるでしょうか。

答えはNoです。何故なら、民法724条は、前段で「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者…が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する」とし、後段で「不法行為の時から20年を経過したときも同様とする」とあるからです。つまり、「不法行為の時から」20年以上が経過している場合、後段によって請求ができなくなることがあるのです。

しかし、民法724条を素直に読むと、「時効によって請求権が消滅する」前段と「同様」なのですから、後段は時効を定めた文言に読めます。立法者は、立法当時はそのような意図で条文を作成しました。後段が時効を定めた文言であれば、上記事例では被害者は加害者に30年後、お金を払ってもらえます。何故なら、時効には「中断」というものがあり、加害者が債務を承認することで、法定期間を経過しても時効にはならないのです。

ところが、判例はそのようになっていません。後段は時効ではなく、「除斥期間」であるとして、中断されない期間制限とみなされているのです。立法者の意図と判例が、ずれているわけです。

しかし、それではあまりにも被害者に酷な場合があります。たとえば、20年過ぎてから加害行為による損害が発生するような場合です。じん肺(アスベスト)や水俣病などがこれに当たります。

このような場合、判例は、被害者の救済のために「不法行為の時から」という文言を「損害が発生した時から」と読み替えることで、加害行為から20年以上が経過していても損害賠償請求ができるようにしていました。

この場合の「損害発生時」とは、じん肺では「行政によってその管理区分に認定された時」、水俣病では「認定制度によって水俣病と認定された時」です。もちろん、認定以前から病状は現れていたはずですが、認定制度によってじん肺や水俣病であると認められなければ、社会的には「損害が発生した」とは見なされなかったわけです。

このような事例を受けて、近年の民法改正では、724条は時効を定めた条文であると見直す動きが活発化しています。

ところが、3月21日、福岡地裁小倉支部では以上のような流れに逆行する判決が出されました。これまで何度かご紹介してきた、カネミ油症新認定訴訟です。

判決は、不法行為時から20年以上たっているから、損害賠償請求権は消滅していると述べました。上記じん肺や水俣病のように、「認定された時が損害発生時」と主張した被害者の意見は取り入れられませんでした。そして、何と「心神喪失者だったわけではないのだから、認定前でも加害企業に請求することはできた」と判じたのです。

認定前に、油症患者であることを証明することは不可能です。認定されなければ、油症患者として治療費の免除を受けることもできません。認定された人に対してさえ、様々な病状は「加齢のせい」と反論してきたのが加害企業であるカネミ倉庫です。

まして、認定前に軽々に訴訟を起こして敗訴し、これが確定してしまえば、二度と賠償請求はできません。そのような危険な請求、不可能を強いる判決が出されたのです。

不法行為を受けた被害者はいつまで請求が可能か?という表題に対して、一般的には「20年(時効は3年)」と答えることになります。しかし、これはいかなるケースでも適用されるものではありません。
法は、徒に加害者を守るものではないのです。

(石丸文佳)

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2013年3月14日 (木)

辞めたいのに辞めさせてくれない会社3

昨年12月に当事務所の新谷弁護士が「辞めたいのに辞めさせてくれない会社」という記事を書きました。以来、当事務所のWEB相談には退職に関する問い合わせが相次いでいます。その多くは会社が仕事を辞めさせてくれないが、どうすれば良いかとのことです。

 基本的な対応は新谷弁護士が指摘しているとおりです。期限の定めのない雇用契約は基本的に辞意を通知して2週間で解除することが可能です。就業規則で予告期間が延長されていることもありますが、それでも1ヶ月も間を置けば解除することが可能です。期限の定めのある場合でも、やむを得ない事由のある場合には直ちに契約を解除することができます(http://sakuragaoka-lo.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6fb3.html)。

 辞意を伝えると会社から損害賠償請求を仄めかされることもあります。しかし、これが容易に認められないことも新谷弁護士が指摘している通りです
http://sakuragaoka-lo.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-7153.html)。

 したがって、会社から損害賠償請求をすると脅されたとしても、それほど気にする必要はありません。
会社を辞めるのは一見すると簡単そうに思えます。

 しかし、現実にはご本人だけでは円満に退職することの難しい事案が数多くあるようです。その理由は会社が種々の嫌がらせをしてくることにあります。

 辞めさせてくれない会社は法令遵守に対する姿勢に問題があるものが殆どです。損害賠償請求を示唆しても翻意させることができないとみるや、辞意を示した従業員にあの手、この手の嫌がらせをしてきます。

 ブログやツイッターで従業員のことを中傷する・有給休暇の取得を妨害する・引継と称して予告期間内では到底こなせないような過大な業務を指示する・詫び状の作成を強要する・些細なミスをあげつらって他の従業員の面前で見せしめのように罵倒するなどのハラスメントを受ける事案が多く相談されています。長くて1ヶ月程度とはいえ、こうした嫌がらせに耐え続けるのは大きな苦痛を伴います。

 弁護士は会社の対応の問題点を指摘し、違法行為を止めるよう要求することができます。会社がハラスメントを止めなければ損害賠償を請求することもできます。泣き寝入りをすることはありません。また、誰かが声を挙げない限り、同じような被害に悩まされる人は後を絶ちません。退職に向けた会社との交渉を弁護士に委任することには大きな意味があります。

 当事務所ではWEB上から無料での法律相談にもお答えしています(http://www.sakuragaoka.gr.jp/contact/consult/)。

自分さえ我慢すれば、少しの間我慢すれば、などと考えず、お気軽にご相談ください。きっとお役に立てることがあるはずです。

(師子角允彬)

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2013年3月 7日 (木)

カネミ油症新認定訴訟・原告団の声明

弁護士の石丸です。

以前、このブログで、皆さんに「カネミ油症新認定訴訟」という裁判が、事件が起きてから40年以上経った今でも行われていること、そしてその1審判決が間近であることをご報告しました。
過日、裁判所から和解案が示されました。それは、事実上原告1人あたり30万円の解決金で和解せよという内容でした。

40年以上も病気のデパートと呼ばれるほどの苦しみを負って生きてきた原告らにとって、あまりにも無理解極まる裁判所の和解案に対し、原告団から声明文が出ているので、本日はこの場を借りて、原告団の声を紹介したいと思います。

和解案に対する原告団声明(一部抜粋)

2008年5月23日に提訴してから5年、最後の最後に、まさかこのように情けない和解案を裁判所から突きつけられることになるとは、未だに信じられない思いでいっぱいです。
新聞報道により、これまでの協議の中で、カネミ倉庫側からの和解案の提示額が10万円であったことを知った時、何と原告をバカにしているのかと思いましたが、今回の裁判所の和解案もそれと同じく、私たち原告をバカにしている、愚弄しているとしか言いようがありません。
裁判長は、私たちのこれまで味わってきた経済的、肉体的、精神的な痛み、苦しみ、悲しみに対する対価が30万円などという金額で済まされるものだと考えているのでしょうか。なぜ旧原告らが受けることのできた最低限の補償を私たちには必要がないと考えたのでしょうか。裁判長は、真実、私たち新認定患者は、旧認定患者と比べて症状の程度が軽いと思われているのでしょうか。
2月19日に五島の原告が亡くなりました。彼で4人目です。無念の思いを抱えて亡くなっていった仲間にどのように報告すればよいのか、情けなさでいっぱいです。
私も含めて、命がけでこれまで本訴訟を戦ってきた原告らが、今、感じているのは、怒りと絶望感とそして情けなさです。
未だに未認定である私の子供らを含め、何の補償も、救済も受けていない被害者らが多数存在する現実を考えれば、このまま私たちがこのような貧弱な内容の和解案を受け入れることは絶対にできません。
いつもご支援くださる皆様、どうか、今後とも新認定訴訟原告らの実情をご理解の上ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

平成25年2月21日 原告団団長 古木 武次


(石丸文佳)

2013年3月 5日 (火)

66期スタッフ弁護士内定者対象の事務所訪問について

桜丘法律事務所は,スタッフ弁護士の養成事務所となっており,66期の弁護士について,法テラススタッフ弁護士の新スキーム養成を予定しています。

 既に法テラスの本部面接を終えて,スタッフとしての採用内定を得ている方,あるいはスタッフ弁護士の採用募集に応募し,日弁連の推薦を得た方を対象に,事務所訪問を受入れ,当事務所の雰囲気・所属弁護士(スタッフOBもいます)の人となりを知って頂く機会を設けたいと思いますので,ご希望の方は下記メールアドレス宛に下記要領にて事務所訪問の申込を行ってください。日時の調整を行わせて頂きます。

担当者 鏑木信行
宛先: kaburagi@sakuragaoka.gr.jp
申し込みの締め切り 平成25年3月15日

1 件名を,「事務所訪問希望」として下さい。
2 氏名と修習地の記載
3 本部面接合格/本部面接待ち(日弁連の推薦済み)の別の記載(本部面接の日程が決まっている場合には,その日程も)

なお,新スキーム採用のスタッフ弁護士の事務所配置は最終的には法テラス本部が決定しますので,最終的な採否については当事務所が決定権を持つものではありません。

注:66期を対象にしては,法テラススタッフ弁護士(新スキーム)以外の採用・養成は予定しておりません。法テラススタッフ弁護士に内定していない修習生の方で,当事務所又は所属弁護士の活動に興味があり,採用とは無関係に訪問・見学を希望される方につきましては,毎月開催している神山ゼミ及びその懇親会に参加されるか,個別の見学をお申し込み下さい。可能な限り受入の調整をいたします。

交通事故の示談とは?保険会社基準とは?

交通事故の相談をよく受けます。中でもよく聞かれることの多い質問が「加害者の任意保険会社から、保険会社の基準という金額案を示されました。示談に応じないといけないですか?」というものです。
 
この質問には一般の方が誤解しやすい2つのポイントが隠されています。

 ひとつは、応じないといけない示談案など世の中に存在しないとうことです。示談というのは、要するに当事者双方がその案に了承して合意するということです。あくまでも了承するかどうかは自由です。内容について了承したくなければその示談案を蹴り、引き続き交渉を続けることが可能です。いったん示談が成立すれば、その内容(交通事故であれば賠償金額)にこれ以上は文句を言うことができなくなります。だからこそ、合意するかどうかは慎重に判断しなければなりません。

 このような質問を受ける度に、保険会社の担当者は示談というものがそもそもどのようなものなのか素人の方に一切説明していないのだなと苦々しく思います。

 もうひとつのポイントは保険会社基準なるものがあたかも絶対の基準のように思われてしまっていることです。損害保険会社には確かに交通事故被害者に対して賠償金額を提示する際の内部の基準というものが存在します。それに従って、実際、多くの示談を行っているのも事実でしょう。

 しかし、よく考えてみて下さい。加害者は元々保険会社と自賠責保険では賄いきれない部分をカバーしてもらおうと思い、任意の保険契約をしていたはずです。通常、無制限の賠償特約になっており、そこで賠償されるべき金額は、法律的見地から被害者が加害者に請求できる額となります。保険会社の基準で支払えばよいという約束にはなっていません。保険会社の基準というのは決して絶対ではなく、単なる自主基準であり、被害者がそれを尊重する必要はありません。しかもその中身は我々法律家から見てかなり低いことが圧倒的に多いのです。

 弁護士が交通事故の相談を受けた場合、真っ先に検討するのは通常、多くの裁判例を集積して作成されている「民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準」(いわゆる「赤い本」)の基準です。保険会社の担当者などと交渉する際には、保険会社の基準は一蹴します。先方も弁護士が相手である以上「赤い本」をベースに検討し直さなければならないと考えているのが通常です。

 「我が社の基準で算定しています」という決まり文句は、1円でも支払いを少なくしたい保険会社が意図的に、それが絶対の基準であるかのように思わせる常套句です。

 疑問や不安をお持ちの方はぜひ弁護士にご相談下さい。

(亀井真紀)

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2013年3月 4日 (月)

3月,4月,5月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で行います。皆様のご参加をお待ちしています。

日時
平成25年3月13日(水)午後6時から午後8時30分ころまで
平成25年4月8日(月)午後6時から午後8時30分ころまで
平成25年5月8日(水)午後6時から午後8時30分ころまで

場所
伊藤塾東京校 521B教室
http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹、修習生、学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。
特に,実務家の方からの,現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。方針の相談や,冒頭陳述・弁論案の批評等,弁護活動にお役立ていただければと思います。なお,進行予定の都合上,受任事件の持込相談がある場合には,さんか連絡の際にその旨伝えていただけると助かります。
終了後には懇親会も予定しています。
参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を國松までご連絡下さるようお願いします。

[件名] 3月の神山ゼミ(4月の神山ゼミ,5月の神山ゼミ)
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・懇親会参加の有無:

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