« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »

2012年11月

2012年11月30日 (金)

12月,1月,2月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で行います。皆様のご参加をお待ちしています。

日時
○平成24年12月13日(木) 午後6時から午後8時30分ころまで
○平成25年1月21日(月)午後6時から午後8時30分ころまで
○平成25年2月13日(水)午後6時から午後8時30分ころまで
場所
伊藤塾東京校 521B教室
http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹、修習生、学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。
特に,実務家の方からの,現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。方針の相談や,冒頭陳述・弁論案の批評等,弁護活動にお役立ていただければと思います。なお,進行予定の都合上,受任事件の持込相談がある場合には,参加連絡の際にその旨伝えていただけると助かります。
終了後には懇親会も予定しています。
参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を古宮までご連絡下さるようお願いします。

[件名] 12月の神山ゼミ(1月,2月の神山ゼミ)
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・懇親会参加の有無:

2012年11月27日 (火)

いい加減な顧問弁護士

先般ある苦情の相談を受けました。その法律事務所は年間1万500円で顧問になってもらえるのだそうです。相談者は顧問契約を結び,事件の相談をしました。

相談を受けてくれたのは事務員でした。事務員は,事件の相手に対してしかるべき請求をしてくれると約束しました。しかしながら事件は一向に進展しません。電話して尋ねると内容証明を送ってくれたというのですが,その後も動きはありません。改めて事務所に尋ねると,担当事務員が変わったとのことでした。

新たな担当事務員は,交代したばかりで事件の内容はよくわからないと言います。業を煮やした相談者が弁護士に会わせてほしいというと,弁護士は会わないことになっていると言われました。

相談者は弁護士に会ったことがないと言います。そんなふざけた話はありません。非弁護士提携の疑いありとのことで,所属弁護士会に伝えました。

最近極めて低廉な価格で「顧問」を集める事務所が散見されます。何かあったときのために関係を持つこと自体は依頼者にとっても事務所にとってもメリットのあることかもしれませんが,いざというときにきちんと動いてくれる事務所を選ばないと何の意味もありません。顧問を選ぶなら,しっかり,良い事務所を選ぶようにして下さい。

と言ってもどう選んだらよいかわからないという方も多いでしょう。そんな時はいくつかの事務所に同じ内容の相談を持ちかけると良いです。対応の丁寧さや回答の正確さを比較することができると思います。

(櫻井)

2012年11月19日 (月)

法律相談会@介護老人保健施設

 先日,杉並区にある介護老人保健施設(ステイ及びデイケア対応)で開かれた施設の地域交流会に参加させていただきました。施設利用者の方,施設利用者のご家族の方,地域の方を対象にした文化祭のようなイベントで,会場には特殊な用具を装着しての高齢者体験コーナー,リハビリ専門職による体力測定コーナー,栄養食試食会など,介護老人保健施ならではというブースが多数設けられていました。私たち桜丘法律事務所も,そこに法律相談のブースを出させていただいたというわけです。

ブースを出していたのは2時間半程度の短い時間でしたが,1人の相談が終わると次の相談者が見えられるというような状態で,私たちのブースも他のブースに負けず劣らずなかなか盛況でした。介護老人保健施設での相談会なので,成年後見等に関係する相談が多いのかなと単純に考えていたのですが,実際には,賃貸借に関する相談や,隣人トラブルの相談等,普段の生活一般に関する相談が多かったように思います。
 
帰り際,私も,高齢者体験をさせていただきました。ゴーグルで視野を制限し,特殊なスーツとバンドで関節の稼働領域を制限すると,地面とその少し上のごく狭い範囲を見ながら前のめりになって歩くような形になります。イヤーマフをつけると,周りの音も良く聞こえません。高齢者の身体になって,初めて知りました。歩くだけでこんなに大変なんだということを。ましてや,法律事務所まで歩いて行くのは,本当に大変なことなのだろうと思いました。やはり,私たち弁護士は,事務所で待っているだけではいけないと思いました。介護老人保健施設と法律事務所が協力することで,健康問題だけでなく法律問題も気軽に相談できる環境を整えていけたらと思いました。

(鏑木)

2012年11月15日 (木)

後見制度信託

2012年4月から後見制度支援信託の取扱いが開始されました。
後見制度支援信託とは、被後見人(後見制度の支援を受ける人)の財産のうち、日常に必要な金銭を後見人が管理し、その他の通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みのことです。

後見制度信託を利用すると、信託した財産を払い戻したり、信託契約を解約したりするには家庭裁判所の指示書が必要となります。つまり、後見人の権限で、自由に預貯金を払い戻したり解約したりすることができなくなります。

何故、このような制度が導入されるに至ったか、一言で言うならば成年後見人の不祥事を防ぐためです。
成年後見制度は、高齢者・障がい者など自ら財産を管理することができない人の支援をする制度として2000年に始まりその後、高齢化の進展や介護保険制度の導入などとあいまって制度が普及していき、増加を続けている状況です。

しかし、このような増加に伴い、制度や後見人の役割を理解しない人が後見人になってしまい、そのため横領などの不祥事が発生するようにもなってしまいました。中には数千万円から1億円を超える金額を着服するような例もあります。着服する人の多くは親族の後見人ですが、弁護士や司法書士などの専門家が着服するというような残念な例も実は過去にありました。そうして、成年後見制度が本来被後見人の財産を保護するための制度なのに全く逆の結果になってしまう事態に最高裁判所が頭を悩ませるようになったのです。

そこで考え出されたのが、多額の金銭については後見開始後に信託銀行との契約を締結させ、裁判所の指示書なくしては動かせないようにするということだったのです。

確かに、信託銀行に預けてしまえば、特別な事情でもない限りは解約したり、払い戻したりすることが事実上できにくくなります。裁判所に一々指示書を出してもらわなければならないとすれば、横領事例も多少は減少するでしょう。

しかし、横領行為はあえて信託銀行と契約しなければ防げないものなのか慎重に考える必要もあります。選任時の問題、その後の不十分な監督も横領行為の発生に影響していたことを直視するべきです。弁護士や司法書士でも横領する例があると述べましたがそれは極めて例外的なものであり、圧倒的に多くの士業の方は誠実に財産管理を行っています。親族以外の専門家後見を多くし、また後見監督人をつけることでの解消をまずは試みるべきだと思います。

また信託銀行の利用を事実上強いることで、被後見人の自己決定の尊重に反する可能性もあります。被後見人の中には、自らの資産内容についてある程度把握をし、その管理方法について意思を示す方も少なくありません。

それにも関わらず、本人の意思に反して、資産の多くを信託銀行に一方的に預けてしまってよいのでしょうか。例えば、被後見人は、長年世話になってきた地元の信用金庫や地方銀行に預金をし続けたいのに、後見人が就いたところでそれらが全て解約されてしまうのは、本人の資産管理の方法選択の自由を奪うものです。金融機関にとっても、長年の顧客を失うことになります。

また、後見人の役割は単に財産管理をするだけではありません。被後見人の生活が充実して豊かになるように配慮しながら、財産を用いることも時に必要なことです。例えば、被後見人の資力から不相当でなければ比較的高額な老人介護施設に入居するための契約を結ぶこともありますが、裁判所の指示書を必須とすることで事実上そういったことが抑制される可能性があります。

もちろん全ての後見事件で後見制度信託が利用されるわけではないので、常にこのような危惧があてはまるわけではありません(ご安心下さい)。但し、制度創設の当初だからこそ、その適用や運用は慎重に検討していくべきであると思います。

そして、何よりも信託銀行を利用しなくても「大丈夫だ」「安心だ」と制度を信頼してもらえるよう、ひとりひとりの後見人がきちんと職責を果たしていくことが一番大事なことです。

(亀井)

2012年11月14日 (水)

有名タレントの離婚裁判について思う

 有名タレントの離婚裁判が大きくとりあげられています。当事者双方が法廷に出廷して証言をする日にマスコミや一般人が傍聴席を競い合うのはまだ分かるとしても,数分で終わるはずの弁論の日にまで家庭裁判所前にすごい人だかりができているのには驚きました。

 そうはいってもわたしも法律専門家として(一視聴者として?)この裁判の行方に少なからず関心を持っていましたのであまり他人のことはいえません。

 事前の報道ではどちらかというと離婚は厳しいという事前の見方が多くあったように思います。確かに別居期間は2年程のようであり,他に決定的といえる大きな原因がない以上,離婚へのハードルは高いとみる感覚は一応理解できます。司法業界にも最低でも別居3年が目安という説もないわけではありません。

 しかし,別居期間だけが目安でないことも明らかです。離婚請求をしている方に暴力や不貞などのはっきりした有責事由があるわけではなく,また未成年の子どもがいるわけではなければ,現実的に考えて修復が可能かどうか,一方の意思に反して離婚を認めることが正義に反するかどうかが結局は最後の決め手になります。これらの判断に明確な基準などありません。個々の裁判官の価値観,つまり感覚に依るところが大きいといえます。

 今回のケースを見ていて一番感じたのは,有名人がイメージダウンのリスクを負ってまでも,裁判での離婚請求をしている状況からして,やはりどう考えても修復不可能なのではないかということです。冒頭にも書いたように,離婚事件といえども裁判である以上,手続きの一部は必ず公開法廷で行うことになります。個人情報保護が叫ばれる昨今,一般人であっても生々しいプライバシーを第三者に公開するなんてたまったものではないでしょう。タレントであればなおのことです。それでもなお,しばらく別居状態を維持するのではなく(いわゆる仮面夫婦は珍しくないですよね),あえて裁判までするということはもはや何が何でも「別れたい」という決意がとても強いということのように思います。

これはいいか悪いかという問題ではなく事実状態の問題です。そして,離婚を認容するべきか否かにあたってはこの事実状態は他の分野の事件に比べて大きくのしかかってきます。離婚を認めないという判決を下したとしても,一方が嫌だと言っている以上強制的に同居させることはできません。離婚請求棄却の判決後に裁判官や代理人弁護士が修復の手伝いをするわけではありません。そうであればもはやそれぞれ新しい一歩を踏み出して・・・と考えるのはそう不自然でも不正義でもないように思います。

 もちろん離婚したくない方にとっては,こんな感覚的な理由で大事な身分関係を強制的に変動させられるいわれはないと感じることでしょう。仕方ありません,和解ができなかった以上,双方同時に納得させる判決は土台無理なのです。

 ちなみに,実際には離婚裁判までしても判決には至らずに和解で離婚することが多いです。わたしの経験でもそうです。最初は離婚原因の有無について激しく争っていても,裁判をやっていく中で判決が双方にとって必ずしもいい結果になるものではないと見えてくるからだと思います。時間の経過も大きく影響します。

 裁判は一見,理屈で白黒つける世界のようにも見えますが,実際は生身の人間のデリケートな心情が結論に大きく左右するといってよいでしょう。

  (亀井)

 

2012年11月 7日 (水)

市民後見人

この秋から,渋谷区成年後見支援センター「成年後見活用促進ネッワーク市民後見人養成事業専門部会」の委員に就任しました。

「市民後見人」とは,要するに親族でもなく,また弁護士や司法書士などの資格を持つわけではないが,成年後見人として活動する意欲と能力のある人のことをいいます。もちろん家庭裁判所から正式に後見人として選任されるまではあくまでも「候補者」ということになります。

平成24年4月施行の改正老人福祉法32条の2では,市町村が主体となって後見人を確保するための取組みをしなければならないという努力義務が規定されました。具体的には,市町村には,市民後見人を確保するための研修の実施,後見等の業務を適正に行うことができる者の家庭裁判所への推薦等をすることが求められます。
この候補者を養成する事業を渋谷区でも本格的に始めたということです。

 現在,日本は国民の5人に1人が高齢者(65歳以上)という高齢社会を迎えています。今後もさらに高齢者の割合が高まり,今以上に多くの人が認知症等で成年後見制度を利用する可能性があります。一方で,少子化の進行,家族の分散化等により,親族以外の者が後見人にならざるを得ないというケースの割合も高くなると思われます。

 最高裁判所が公表している「成年後見関係事件の概況-平成23年1月~12月-」によれば,親族が選任されたのが約55.6%(中でも子が圧倒的に多い)であり,親族以外では司法書士,弁護士,社会福祉士などの専門家が多く選任されています。現在はこれらの人で成年後見人をほぼ担っている状況です。

 しかし,将来的にはどうでしょう。現在ですら,親族といえども元々ほとんど接触がない,関わりたくない,面倒なことはやりたくないという人は珍しくありません。このような場合,家庭裁判所は,親族に無理に委ねることはせず,一般的には専門職団体に推薦を求めるなどして,専門家から選任しています。

 ただ,後見申立件数がさらに増大したときに専門家だけで十分に対応できるかというと地域によっては不安もあります。また,必ずしも法的な紛争があるわけではなく,見守り的な身上監護にこそ重点が置かれるべきケースについては専門家よりもむしろ近くに住んでいてかつ信頼できるという人こそが後見人にふさわしいということもあります。

このような事情から市民後見人を養成する事業が数年前から既に各地で行われています。

 上記最高裁の統計によれば平成23年は92人の市民後見人が選任されたとのことです。
前年の統計には「市民後見人」というカテゴリーはありませんでした(おそらく「その他」に入っていたのでしょう)。いよいよ社会的に認知されるようになってきたということかもしれません。

 ただ,社会貢献の意欲と後見業務に関する能力を備えた方を市民後見人候補者として確保するのは容易ではありません。被後見人の立場からすれば,見ず知らずの他人が財産管理・身上監護の権限を持つことになりますが,後見制度の十分な理解と知識がない人が選任されたのでは困るわけです。

 そういう意味で,いよいよ本格化する各地での養成事業は大変重要といえます。市民後見人が普及するためには様々な検討課題がありますが,多くの市民が成年後見制度に関心を持ち,我々専門家とともに支える側になってくれたらと思います。

(亀井)

2012年11月 5日 (月)

使いやすい?弁護士・法律事務所

企業からの相談が増えています。特に最近は,他に歴とした顧問弁護士・事務所をお持ちの企業からの相談が増えています。最初からセカンドオピニオンを求めて見える企業もあるのですが,顧問の弁護士に相談することなく見える企業もあります。そんな時は失礼を承知で,どうして顧問の先生にご相談なさらないのですかとお聞きします。

すると多くの企業から,顧問の先生は敷居が高くて…という答えが返ってきます。敷居を低くするための顧問契約なのに,まだまだ低くなっていないのだなと感じながら相談に乗っていました。

実はここまでは他人事です。

先般ある顧問先企業の役員から遠慮がちに「月に1回程度本社に来て各セクションの相談に乗っていただけないでしょうか」と切り出されました。もちろん二つ返事でOKしましたが,その役員の態度から,偉そうに言う自分も顧問先にずいぶん遠慮させていたことに改めて気づきました。これでは他の弁護士のことをどうこう言う資格はありません。

私たち弁護士は,最近,事あるごとに,市民に身近にとか,依頼者に寄り添うなどと言っていますが,自分ではそのつもりでも,世間から見たらまだまだ不十分であると痛感しました。

私たちはもっともっと「使い易い」存在にならないといけませんね。

(櫻井)

2012年11月 1日 (木)

11月,12月の神山ゼミ

11月の神山ゼミを以下の要領で行います。皆様のご参加をお待ちしています。

日時
平成24年11月29日(木) 午後6時から午後8時30分ころまで

場所
伊藤塾東京校伊藤塾521B教室(5号館2階)
http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹、修習生、学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。
終了後には懇親会も予定しています。
参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を古宮までご連絡下さるようお願いします。

[件名] 11月の神山ゼミ
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・懇親会参加の有無:

komiya@sakuragaoka.gr.jpまで。


12月の神山ゼミを以下の要領で行います。皆様のご参加をお待ちしています。

日時
平成24年12月13日(木) 午後6時から午後8時30分ころまで

場所
伊藤塾東京校伊藤塾521B教室(5号館2階)
http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹、修習生、学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。
終了後には懇親会も予定しています。
参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を古宮までご連絡下さるようお願いします。

[件名] 12月の神山ゼミ
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・懇親会参加の有無:

komiya@sakuragaoka.gr.jpまで。

« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ