ひまわり基金法律事務所見学記(鏑木)
桜丘法律事務所の新人は,1年~1年半の養成を経た後,2年~3年の任期で,全国のひまわり基金法律事務所又は法テラスに赴任します。詳しくは,こちらをご覧ください。
http://www.sakuragaoka.gr.jp/kosetsu/
今回,その一環として,奄美大島にある末広町法律事務所を見学させていただきました。末広町法律事務所は,ひまわり基金法律事務所の一つです。所長の鈴木穂人弁護士は,桜丘法律事務所の出身で,私の2期先輩になります。
http://www.sakuragaoka.gr.jp/lawyer/suzuki.php
依頼者との相談,裁判所での期日,拘置所での接見,市役所職員との意見交換,奄美大島の他の弁護士との意見交換。3日間という短い滞在でしたが,盛りだくさんのスケジュールに同行させていただきました。その中でも特に印象深かったのが,「出張相談」です。
「出張相談」というのは,読んで字のごとく,出張して相談にのることです。「出張相談」は,行き帰りの移動に時間がかかり,その間他の業務が出来なくなるため,弁護士からするとハードルの高いサービスです。それでも鈴木弁護士は,「出張相談」は必要だし,結果的に効率的であると言います。
第1に,弁護士事務所まで行くのは抵抗があるけれど,来てくれるのなら試しに相談してみようという地元の方の話を聞くことができます。奄美では,本当にどうしようもなくなってからでないと,わざわざ弁護士に相談に行こうとは思わない,早期に問題を発見し適切な解決をするためには,こちらから相談を聞きに行くことが必要なのだと,鈴木弁護士は説明してくださいました。
第2に,必要な書類や証拠が一度に集まるということです。詳細な事実関係を聴く前に,必要になりうる全ての書類や証拠を的確に指示するのは困難です。お宅に訪問し,詳細な事実を聞いたうえで,必要な書類や証拠をその場で指示して探していただければ,事実聴取と証拠の収集を効率的に行うことができます。
第3に,依頼者の生活や地元の文化を肌で感じることができます。滞在中はちょうど旧盆で,どこのお宅にも祭壇が設けられていました。次から次へと近所の方が訪れてはお線香をあげていました。東京ではなかなか見られない光景です。鈴木弁護士は,地元の方の不安や悩みを少しでも同じ気持ちで感じるためには,言葉の奥にある生活や文化に自分から入らせていただく努力をしなければならないと,私に重ねて説明してくださいました。
現時点で私の赴任先はまだ決まっておりませんが,どこに赴任させていただくにせよ,鈴木弁護士のように,地元の方々にとって相談しやすく,話していて安心できる弁護士になりたいと思いました。
(鏑木)
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