東電OL殺人事件再審第1回公判・検察官が無罪意見
当事務所の神山啓史弁護士が主任を務める東電OL殺人事件の再審第1回公判が本日(10月29日)東京高裁で開かれ,検察官はゴビンダ・プラサド・マイナリさんが無罪である旨の意見を述べました。判決言渡しは11月7日。ようやくゴビンダさんに無罪の判決が言い渡されることになります。
犯人が第三者である可能性は,弁護団が当初から指摘していました。それを容れて1審裁判所は無罪の言渡しをしましたが,控訴審ではゴビンダさんの勾留を決定し,その自由を奪い続けながら無期懲役の判決を下しました。そして最高裁も,その結論を維持しました。
神山弁護士は,修習生や若手弁護士に対してこの事件について話すたびに,「間違っているのは最高裁だ。君たちは,最高裁がいつも正しいと思うような法律家になるな。」と言い続けてきました。この間の事件の展開は,まさに神山弁護士の指摘の正しさを証明したものと思います。
ちなみに検察官が再審公判において無罪の意見を述べるのは2度目。1度目は足利事件だとのこと。神山弁護士は,足利事件の再審弁護人も務めていました。
私は,私たちの尊敬する同僚とその弁護団が,静かな情熱をもって再審の扉を開けて,無実の人の冤罪を晴らしたことを誇りに思います。
(櫻井)
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