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2012年9月 6日 (木)

裁判員裁判における精神鑑定

 「季刊刑事弁護」という雑誌があります。弁護士と検察官・裁判
官以外では,拘置所の中の方がよく読んでおられるようです(とき
どき,弁護をお願いしたいという手紙が届きます。)。櫻井も,当
事務所の新人弁護士の奮闘を綴った「桜丘便り」を連載中です。

 半年ほど前になりますが,精神科医の先生方にご協力いただき,
「裁判員裁判における精神鑑定」という特集を組みました。私は,
日弁連が収集した裁判員裁判の判決65件の分析を行っています。
裁判員裁判が始まって3年が経ちますが,裁判員はどのような判決
を言い渡しているのか,それには(裁判官と異なる)どのような特
徴があるのか,という観点から取り上げたものです。

 さて,インターネット上では,裁判員裁判に対する批判的な意見
を目にすることがあります。また,責任能力を争う弁護活動につい
ても,批判的なコメントが少なくないようです。しかし,私が目に
したものに限って言えば,あまり実態をご存じないのではないか,
と感じるものが少なくありません。

 たしかに,精神鑑定の中には問題のあるものもありますし,弁護
活動の中にも問題のあるものはあります。裁判員の出す判決の中に
は,とんでもないものもあるでしょう。しかし,それらは全体の中
で見れば一部であり,制度自体に内在する問題でもないはずです
(新聞報道は一部を切り取って報道するために,正確でない場合も
多いです)。

 具体的なケースに即して,いったいどこにどのような問題があり,
それがなぜ生じたのかということを分析する必要があるでしょう。
その中から,よりよい制度にするためには,どうすればよいかとい
う方向性も見えてくるはずです。いまの制度はダメだとか,この判
決は問題だというだけでは,ではどうすればいいのか?という答え
が見えてきません。裁判員制度を廃止しても,昔の裁判官裁判に戻
るだけです。果たして,それでよいのでしょうか。

 いまの裁判員裁判における精神鑑定の実際を知っていただき,こ
れからの裁判員裁判と精神鑑定のあり方を考えていただくきっかけ
として,弁護士以外の方にも,お読みいただければと願っています。
ただ,季刊刑事弁護は,弁護士でも読まない人が多いようなので,
本当はもっと弁護士に読んでもらいたいです。

季刊刑事弁護69号 [特集:裁判員裁判における精神鑑定]
http://218.42.146.84/genjin//search.cgi?mode=detail&bnum=20213

また,70号では,鈴木穂人さんと共同受任したケースの報告が載っ
ています。東京ソテリアの野口さん,中西さん,小林さんにコメン
トしていただきました。

季刊刑事弁護70号 「ケース2:パーソナリティ障がい・放火、福祉サービス事業所との協働 鈴木穂人/中西章子/小林加奈/野口博文」
http://218.42.146.84/genjin//search.cgi?mode=detail&bnum=20219

(田岡)


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