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2012年9月13日 (木)

養育費や面会交流の取り決めは,半数以下

 今年4月の民法改正により,子どもがいる夫婦が離婚する際には,養育費の支払いや,子どもとの面会交流について取り決めることになりました(民法766条)。これにあわせて,離婚届の書式が変更され,「面会交流」と「養育費の分担」について「取決めをしている」「まだ決めていない」にチェックすることになりました(http://www.moj.go.jp/content/000011717.pdf)。ただし,離婚の要件ではないので,チェックしなければ受理されないということではありません

 ところが,読売新聞の記事によると,4月から6月までの3か月間で,実際に取り決めた夫婦は,全体の半数に満たなかったことが分かったとのことです(面会交流は48%,養育費は49%しか,「取決めをした」という回答がありませんでした。)。離婚後に取り決めた夫婦もいるはずですから,実際には半数よりは増えるはずです。しかし,養育費の取り決めをしても支払われないことも少なくありませんから,このうち,どれだけの方が実際に養育費の支払いを受けられているかは分かりません。

 養育費が支払われなかったり,親との面会ができないことは,何よりも子どもにとって不幸なことです。しかし,それだけでなく,社会保障費が増大するという意味では,国の財政にも影響する問題でもあります。厚生労働省は,公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)に委託して,養育費相談支援事業を行っています(http://www.youikuhi-soudan.jp/)。また,面会交流に関しても,東京都は,今年5月から面会交流支援事業を行っています。これまで,日本では,離婚は夫婦間の問題と捉えられてきたため,行政による支援が手薄でしたが,こうした支援事業が始まったことは歓迎したいと思います。

 諸外国を見ると,日本のように協議離婚が認められている国の方が少数です。離婚をするためには裁判をしなければいけない国や,夫婦が合意している場合でも裁判所の許可が必要である国もあります。そもそも離婚が認められず,別居という制度をおいている国もあります。また,アメリカなどでは,養育費を強制的に取り立てるための公的機関が整備されています。これらは,子どもの養育費や面会交流が,夫婦間の私的な問題でなく,社会や国が関心を持つべき公的な問題であることを示していると言えます。

 今後は,夫婦間での取り決めに任せるのではなく,行政や司法が積極的に関与し,子どもの福祉という観点から,適正な取り決めがなされるように支援していく必要があるでしょう。

読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120910-00000040-yom-soci

法務省 夫婦が離婚をするときに--子どものために話し合っておくこと
http://www.moj.go.jp/content/000097765.pdf

養育費相談支援センター
http://www.youikuhi-soudan.jp/

東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hitorioya_shien/menkai/zigyou/index.html

東京都ひろり親家庭支援センター
http://www.haat.or.jp/

(田岡)

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