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2012年5月 6日 (日)

最高裁判例紹介

去る4月27日、注目すべき最高裁判決が出ましたのでご紹介します。

Y社に勤務するXさんは、何らかの精神的不調から、「ある組織から依頼を受けた業者や協力者が自分を盗撮盗聴などして監視するようになった。また職場の同僚を通じて嫌がらせを受けるようになった。」などという妄想を抱くようになり、会社に改善を求めたり、休職を認めるよう求めたりしました。これに対しY社はXさんに出勤を促すなどしましたが、Xさんは自分の被害に関する問題が解決されるまで出勤しないと伝えた上で、有給休暇を全て取得した後、40日間にわたり欠勤を続けました。
これに対してY社は正当な理由なき無断欠席にあたるとして、就業規則にのっとりXさんを諭旨退職の措置を執りました。
Xさんは会社の措置を不服として地位確認の訴訟を提起、その最高裁判決が今回下されました。

判決は次のように述べて本件諭旨退職を無効としました。
精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては,精神的な不調が解消されない限り引き続き出勤しないことが予想されるから,使用者としては,精神科医による健康診断を実施するなどした上で,その診断結果等に応じて,必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべきであり,このような対応を採ることなく,出勤しない理由が存在しない事実に基づくものであることから直ちにその欠勤を正当な理由なく無断でされたものとして諭旨退職の懲戒処分の措置を執ることは,精神的な不調を抱える労働者に対する使用者の対応としては適切なものとはいい難い。
そうすると,上記欠勤は就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たらないものと解さざるを得ず,上記欠勤が上記の懲戒事由に当たるとしてされた本件処分は,就業規則所定の懲戒事由を欠き,無効であるというべきである。

企業も労働者も覚えておいて頂きたい判決だと思い、ご紹介しました。

(櫻井)

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