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2012年5月

2012年5月31日 (木)

地域活動支援センター「はるえ野」訪問日記(3)

5月25日に,江戸川区にある地域活動支援センター「はるえ野」を訪問してきました。

この日は,WRAPに参加しました。

「WRAP」とはWellness Recovery Action Planの略で,「元気を回復する行動プラン」のことです。1980年代に米国の精神保健の現場で開発された自己管理法です。心の状態を「日常」,「注意サインが出た時」,「調子が悪くなった時」等6つの段階に分けたうえで,各段階に応じた対処法をあらかじめ用意しておくというものです。詳細は,日経新聞2012年5月21日(月)夕刊でも紹介されています。

講師の増川ねてる(増川信浩)さんから,①今日呼ばれたい名前,②大切にされているなと感じる時,③元気の出る魔法の言葉という課題が出され,皆で輪になって意見交換をしました。③の元気の出る魔法の言葉としては,「しがみつかない,ごまかさない,あきらめる」,「まあ,別に誰も気にしてないから大丈夫」,「お帰りなさい」,「あきらめるな,絶望は愚か者の結論だ」などの意見が出ました。人によって元気の出る魔法の言葉が180度違うというのは興味深いですね。

増川さんは,「人は誰でもストレスを感じる。精神疾患を持った人は,人より少しストレスを感じやすい。その意味では,精神疾患を持った人は強度なストレスに日常的に対処してきた専門家である。WRAPを通じて,精神疾患を持った人の経験に学ぶとともに,健常者が感じる心の問題の延長上に,精神疾患を持った人の抱える心の問題があることを理解してもらいたい。」と言っていました。

精神疾患を持った人たちが,私たちを必要としている。だから,私たちが力になってあげなければならない。恥ずかしながら私は,そういう一方通行の関係を考えていました。むしろ,私たちこそ,精神疾患を持った人たちのことを必要としているという事実に,はっとさせられました。

(鏑木)

2012年5月26日 (土)

「こんなふうにしたいな 裁判員裁判」(市民集会)のお知らせ

 来る6月2日,東京三弁護士会の主催で,裁判員裁判のシンポジウムを開催します。
 パネルディスカッションには,裁判員経験者2名と,映画監督の周防さんが参加されます。私は,司会を務める予定です。ぜひ,ご参加ください。

こんなふうにしたいな 裁判員裁判(市民集会)

裁判員裁判は、2012年5月で3年目を迎えます。2011年12月末までに選定された裁判員経験者は、18000人を超えます。市民の刑事裁判に対する関心は高まりを見せていますが、他方、裁判員経験者に対する守秘密義務の範囲や証拠開示の拡大など検討すべき課題が浮かびあがってきました。

そこで、東京の3つの弁護士会では共催して、「それでもボクはやってない」の監督、周防正行氏、裁判員経験者をお招きした市民集会を下記のとおり開催いたします。

                           記

日 時   2012年6月2日(土)午後1時から4時

場 所   弁護士会館2階講堂クレオ

内 容   第1部(裁判員経験者による体験報告会)
       第2部(3年後見直し提言を中心にパネルディスカション)

パネリスト 周防正行氏(映画監督)「それでもボクはやってない」「shall we ダンス」
       山本亮介氏(朝日新聞記者)
       青木孝之氏(駿河台法科大学院教授、元裁判官、弁護士)

交通機関 地下鉄丸ノ内線B1出口

主 催   東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会

共 催   日本弁護士連合会


東京弁護士会
http://www.toben.or.jp/know/iinkai/saibanin/news/post_1.html

第一東京弁護士会
http://www.ichiben.or.jp/news/oshirase2012/event2012/post-210.html

第二東京弁護士会
http://niben.jp/info/event20120602.html

(田岡)

2012年5月21日 (月)

地域活動支援センター「はるえ野」訪問日記(2)

5月10日に、江戸川区にある地域活動支援センター「はるえ野」を訪問してきました。はるえ野や、はるえ野を運営しているNPO法人東京ソテリアの説明については、石丸先生のコラムをご覧ください。

午前中、通所者の方と、近所のスーパーへおやつの材料の買い出しに行きました。私は普段は、せかせか歩いているのですが、この日は皆でのんびり歩きます。久しぶりにゆったり散歩ができて気持ち良かったです。
歩いていて、ふと思い出した言葉があります。それは、以前はるえ野を訪問した際、東京ソテリアの野口所長が、「この社会は、ハンデをもった人に対してあまりに冷たい」と仰っていたことです。

はるえ野に通う方の中には、何かのきっかけで心を病んでしまうなど、ハンデを背負ったことで、社会で生活することが困難になった方が多くおられます。ですが、心配事があってうつ病にかかり働くことが困難になることなど、人生の中で誰にでも起こり得ることです。

ちょっとつまづいたり、速く歩けなくなったりした人を尻目に、かっ歩して、見事ついてくることのできる人だけの社会は、寂しいものではないでしょうか。はるえ野・ソテリアは、ハンデを負った人でもついてこられるスピードで彼らを受け容れる、彼らが社会で生活できるように手伝うところです。

午後、野口所長を囲んで勉強会が始まりました。今回のテーマは「依存症」でした。「依存症にはどのようなものがあるでしょうか」という所長の問いかけに対し、アルコール依存症、パチンコ依存症、買い物依存症、タバコ依存症、炭酸水依存症など、多くの声が上がりました。私は…チョコレート依存症でしょうか。

誰しも何かの依存症で、誰しも何かのハンデを負いうる。確かに、はるえ野に通う方が背負っているハンデは大きなものです。しかし、ハンデを受け入れて、一緒に歩くゆとりを持つことも大事なのではないでしょうか。

(古宮)

2012年5月19日 (土)

DV事件の実務

 当事務所出身の打越さく良弁護士が日本加除出版から「DV事件の実務」という本を出しました。監修は榊原富士子弁護士。これからDV事件に取組もうという弁護士には最適の実務書です。前半はDV法の概要とDVに関連する諸問題について丁寧な解説がなされ、後半はよく考えられたQ&Aで知りたいことが一般の人にもわかり易く書かれています。福祉関係など、DVの問題に関わることの多い人にも一読をお勧めしたいです。

(櫻井)

2012年5月 8日 (火)

弁護士を装った詐欺にご注意下さい

  先日,とある地方にお住まいの方から事務所に電話がありました。
「お宅の事務所にいるコボリという弁護士から手紙が来た」,「手紙には,競馬被害者の会という弁護団を立ち上げたので参加者を募っている,あなたも被害に遭われている可能性があるから連絡がほしい,と書いてある。」,「手紙には弁護士の登録番号も書いてあったのでいったん信じたが,何となく怪しい雰囲気がただよっていたので,インターネットで名前を検索して,事務所に電話をした。」とのことでした。

  もちろん,私がそのような手紙を出したことはありませんし,競馬被害者の会なる弁護団を立ち上げたこともありません。これは,典型的な振り込め詐欺です。手紙に記載された連絡先に連絡をすれば,入会料などという名目で,お金を振り込むようにと指示されるでしょう。
  手紙には,私の弁護士の登録番号が書いてあったとのことですが,日本弁護士連合会のホームページには,弁護士名,登録番号,所属事務所の住所,電話番号等が公表されています。ですから,詐欺師も私の登録番号を知ることができます。

  このように,詐欺師が弁護士の肩書きを付けてあなたに近づいてくることがあります。騙されないように気をつけて下さい。

  なお,当事務所では,昨年,出会い系サイト詐欺の被害に遭われた方から,サイト使用料を取り返してほしいとの依頼を受けました。この事件では,訴訟を提起し,無事,800万円ほどの使用料を全額回収できました。
      悪質出会い系サイトから使用料を全額回収

  弁護士費用の捻出が負担となる場合には,法テラスの弁護士費用立替制度を利用することもできます。
  詐欺かもしれない,と思ったら,桜丘法律事務所までお電話ください。

   (小堀惇)

2012年5月 6日 (日)

最高裁判例紹介

去る4月27日、注目すべき最高裁判決が出ましたのでご紹介します。

Y社に勤務するXさんは、何らかの精神的不調から、「ある組織から依頼を受けた業者や協力者が自分を盗撮盗聴などして監視するようになった。また職場の同僚を通じて嫌がらせを受けるようになった。」などという妄想を抱くようになり、会社に改善を求めたり、休職を認めるよう求めたりしました。これに対しY社はXさんに出勤を促すなどしましたが、Xさんは自分の被害に関する問題が解決されるまで出勤しないと伝えた上で、有給休暇を全て取得した後、40日間にわたり欠勤を続けました。
これに対してY社は正当な理由なき無断欠席にあたるとして、就業規則にのっとりXさんを諭旨退職の措置を執りました。
Xさんは会社の措置を不服として地位確認の訴訟を提起、その最高裁判決が今回下されました。

判決は次のように述べて本件諭旨退職を無効としました。
精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては,精神的な不調が解消されない限り引き続き出勤しないことが予想されるから,使用者としては,精神科医による健康診断を実施するなどした上で,その診断結果等に応じて,必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべきであり,このような対応を採ることなく,出勤しない理由が存在しない事実に基づくものであることから直ちにその欠勤を正当な理由なく無断でされたものとして諭旨退職の懲戒処分の措置を執ることは,精神的な不調を抱える労働者に対する使用者の対応としては適切なものとはいい難い。
そうすると,上記欠勤は就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たらないものと解さざるを得ず,上記欠勤が上記の懲戒事由に当たるとしてされた本件処分は,就業規則所定の懲戒事由を欠き,無効であるというべきである。

企業も労働者も覚えておいて頂きたい判決だと思い、ご紹介しました。

(櫻井)

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