1.3%
先般大宮ロースクール時代の教え子の女性弁護士から、被疑者弁護で勾留請求を却下させることに成功したという報告を受けました。本来勾留する必要のない人に対して検察官が勾留請求をしたので資料をそろえて裁判官を説得した結果でした。
褒める私に対して彼女は謙遜していましたが、彼女は褒められるだけの仕事をしたのです。というのも、勾留請求が却下される例はまだまだ少ないからです。
次に掲げる表は、最高裁判所が発行している司法統計年報という統計資料をまとめたものです。
司法統計年報より |
||||
平成 |
全裁判所請求による発布 |
却下数 |
却下率(却下数×100/請求による発布数と却下数の和) |
|
12年 |
122354 |
549 |
0.446693734 |
|
13年 |
128615 |
594 |
0.459720298 |
|
14年 |
137649 |
581 |
0.420313969 |
|
15年 |
148333 |
536 |
0.360048096 |
|
16年 |
151204 |
749 |
0.492915573 |
|
17年 |
151720 |
711 |
0.466440553 |
|
18年 |
147095 |
1039 |
0.701391983 |
|
19年 |
135864 |
1353 |
0.986029428 |
|
20年 |
129269 |
1436 |
1.098657282 |
|
21年 |
127792 |
1504 |
1.163222373 |
|
22年 |
121634 |
1648 |
1.336772603 |
|
|
|
|
|
|
ある年の全裁判所に対してなされた勾留請求につき、勾留状を発布した件数と、却下した件数を拾い出し、却下数と双方の和との比を百分率で示した。厳密な意味での却下率とは言えないが、概要を理解するには十分であろう。20年には却下率が1%を超えている。 |
||||
これによると、勾留請求の却下率は年々上がっているとはいえ、平成22年でも1.3%強にしか過ぎません。それに彼女がまだ駆け出しの弁護士2年生であることを考えればなおさら立派だというべきです。
最近は刑事弁護に熱心に取組む若い弁護士が増えてきました。将来が楽しみです。
(櫻井)
« 死刑執行に異議あり | トップページ | 「検事失格」 »
コメント