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2012年2月

2012年2月23日 (木)

事業としての不動産賃貸借4(困った借主1)

 

良い借主だと思っていたのに,貸してみたらとんでもない店子だったという例は少なくありません。そんなときにはどうしたら良いでしょうか。

 基本は毅然とした対応をすることに尽きます。何だ,そんなことかとお思いかもしれませんが,これがなかなかきちんとできていないのが実情です。きちんと対応しているのに効果がないと仰る大家さん,やり方を間違えています。それでは「きちんと」対応したことにはなりません。

 借り主が契約条項を守らないときどうすれば良いか。

 管理会社がある時には管理会社を通じて注意してもらいます。これは誰でも最初にすることでしょう。力のある管理会社であればかなりの対応をしてくれますが,それでも限界があります。また,もともとそういう交渉は得意でない管理会社も少なくありません。

 このとき,多くの大家さんは何度も管理会社に対応を迫ります。大家さんは一生懸命なつもりでしょうが,これは誤りです。何度も言っても進展しないのは,管理会社に打つ手がないからです。管理会社の口頭の注意くらい何とも思わない借り主に対してはより強力な手段を講じる必要があるのです。つまり,何度も管理会社に対応を迫るのは時間の無駄,相手に時間を与えるだけなのです。

 管理会社の動きが悪いとき,あるいは管理会社が頑張っても事態が進展しないときこそ大家さん自らが前面に出て対応すべき時です。そういう交渉事が苦手でない方はご自身で訪ねて行って注意して下さい。その際には交渉の内容の録音も忘れずにして下さい。後で言った言わないの話にならないようにするためです。

 大家さんが直接交渉しても改善しないとき,あるいはそういう交渉をご自身でなさりたくないときは,弁護士を依頼して下さい。

 依頼を受けた弁護士はたいていの場合内容証明で契約違反を指摘し,場合によっては契約解除の意思表示をします。受け取った借り主は,何となく面倒なことになったという印象を持ちます。そう,実際面倒なことになったのです。契約を守らないと面倒なことになるということを理解してもらうのが大事な点なのです。

(櫻井)

2012年2月19日 (日)

事業としての不動産賃貸借3(賃借人選び)

 不動産賃貸事業成功のポイントは、良い借主に長く借りてもらうことです。もちろん、学生街のように借り手がいくらでもいて空室がでることがないような地域は別ですが、たいていの場合は空室が出ることは大きなロスにつながります。また、賃料を支払わない借主に居座られるのはより一層の損失です。

 けれども良い借主とそうでない借主を見分けることは容易ではありません。多くの場合は仲介業者や管理会社の選択眼に頼ることになりますが、最終的には自分で決めなければなりません。個人であれば安定した収入があること、事業体であればきちんとした事業であることが第一です。当然のことながら、何をしているかよくわからない会社は要注意です。経営者の資産状況なども明らかにしてもらって判断するべきだと思います。社長が賃貸住宅に住んでいる会社は、私の経験ではあまりお勧めできません。

 やたら声の大きい人はできれば避けたいものです。容易にクレーマーに転化する虞があります。また、やたら値切る人も避けた方が良いです。意外に思われるかもしれませんが、私の経験では、極端に値切る人は払いが悪いです。そういう人は「払う意欲があるから無理なく払える額まで下げてほしい」と考えているのではなく、「払いたくないから下げてほしい」と考えているだけなのだということを私が知ったのは弁護士になってから10年近く経ってからのことでした。あまり厳しく値切る人は、何かあればそれにかこつけてクレームをつけ、うまくすれば賃料をまけさせようとする傾向がありますから、パスするのが賢明です。

(櫻井)

2012年2月15日 (水)

事業としての不動産賃貸借2(契約書のチェック)

 当然のことですが、「契約」は大事です。契約書の内容はよく吟味しましょう。特に事業として複数の物件を賃貸する場合や賃料が高額に上る物件の場合は必ず事前に弁護士のチェックを受けることをお勧めします。既に原案の出来上がった賃貸借契約書のチェックであれば多くの場合数万円程度で済みますから、後のトラブルの防止の意味を考えれば費用対効果はとても大きいと言えます。

 ご自身でチェックなさる場合に気を付けておいた方が良い点をいくつかご紹介します。
 店舗その他居住用以外の用途として貸す場合には、使用の目的を具体的に明示しておかないと後にトラブルのもとになります。私が経験した例でも、「バレエ教室」として貸したところが「総合ダンス教室」として利用されていてトラブルになったものがありました。「こういう使い方をされては困るな」というイメージがある場合には、「〇〇などの目的に使用してはならない」と明示しておいた方が良いです。
 期間満了の際の自動更新条項についても、更新の条件等を明らかにしておいた方が良いです。更新料の定めも有効です。その効果について見解が分かれますが、私は、法定更新の場合にも更新料を支払う旨の定めをしておくことをお勧めしています。
 原状回復についても、すべてが通るわけではありませんが、「この内容については借主の負担で行ってほしい」と考えるものについては契約書に明示しておく方が良いです。
 また、契約解除の際に残された物の処分に困ることがありますから、残置物の所有権を放棄する旨の定めもしておくと良いでしょう。

(櫻井)

2012年2月12日 (日)

ぴょん太くん無事帰宅

 飼主が逮捕勾留されてしまったため自宅に引き取って保護していたうさぎのぴょん太くん(仮名)。飼主の保釈が許可されたため無事に飼主の下に帰りました。4週間近く世話をしているとなついてきて、ケージから出すとぷうぷうと鼻を鳴らしながら(これは飼ったことのない人にはなかなかイメージできないと思いますが)私の周りをぐるぐる回ったりするようになり、こちらも情が移りました。うさぎをペットにする人が増えているのもなるほどと思います。

 他方でつい先日、私の友人の実家の前にうさぎが捨てられていたという話を聞きました。幸い友人の両親が大切に育てることにしたとのことですが、ペットは最後まで責任を持って飼ってほしいものです。

(櫻井)

2012年2月11日 (土)

賃金不払い「熟女パブ」結果報告

 

昨年9月にご紹介した「熟女パブ」事件が和解で解決しました。働いていた女性が賃金を払ってもらえないばかりか逆に託児費用を請求する裁判を起こされたというひどい事件です。こちらから反訴(被告が逆に訴えることを「反訴」といいます。)を提起して賃金の支払いを求めていましたが、このたび経営者が賃金の全額に和解成立日まで年利14.6%の遅延利息を支払うという内容の和解が成立しました。

 

経営者が女性の弱みに付け込んで託児費用の請求をして来なければ女性はそのまま泣き寝入りするところでしたが、担当の小堀弁護士の毅然とした対応できちんとした解決に導くことができました。

びっくり搾取!「熟女パブ」

(櫻井)

2012年2月 9日 (木)

法律相談を有効に使う‐ある手付解除の例

 Aさんは郊外に一戸建ての家を建てるのが夢でした。そんなAさんは、いろいろな土地を見て歩くうちに気に入った物件を見つけました。価格は4000万円。ここに家を建てたら素敵だろうと思い、購入することにしました。ただ、Aさんにも資金繰りの都合があります。とりあえず手付は40万円で良いことにしてもらいました。

 けれどAさんは数日経って少し考えが変わりました。この土地に家を建てれば合計で7000万から8000万の住宅になります。これまでの貯蓄があるにせよ数千万円の借入が必要です。無理をすれば返せないことはありません。けれど、今後何十年も高額の住宅ローンの返済に追われる生活はAさんが望んでいたものではありません。Aさんは思い悩んだ末、手付を放棄して契約を解除することにしまいた。

 Aさんは仲介業者に対して解除の意思を明確に伝えました。けれど、これに対する売主の答えは、既に契約の履行に着手してしまっているのでもはや手付解除は出来ない。今からの解除であれば契約に定める違約金、即ち代金の20%にあたる800万円を支払ってもらわなければならないところだが、Aさんの事情を勘案して400万円で妥協しよう、というものでした。

 Aさんは、売主の主張する履行の着手については納得がいきませんでしたが、自分の主張が正しいかわからず、またどのように交渉してよいかもわからず交渉に難儀し、桜丘法律事務所に相談に見えました。

 ここでの問題は、売主の行為が履行の着手と言えるかどうか、また、手付金の額が相場よりもかなり低いことが手付解除の主張を制限する方向に働かないか、ということでした。
 弁護士はそれらを勘案して、どのような主張をすべきか、またどの程度の金額であれば合意して良いかについてのアドバイスを行いました。

 数日後、Aさんから明るい声で連絡がありました。
 「先生、ありがとうございます。おかげで70万円で解決しました。」
 Aさんはアドバイスをもとに上手な交渉を行なうことができたようです。 

 対応を間違えると、何も分からず数百万円の支出をしてしまうか、または訴訟になり多くの時間の浪費や予想外の支出を余儀なくされるところでした。適切な法律相談による、的確なアドバイスを上手に利用していただいて,交渉をうまく進めた例としてご紹介させていただきました。

(櫻井)

2012年2月 8日 (水)

絵画商法に注意

先日「絵画商法」の相談を受けました。

銀座を歩いていたら、「絵を見ていかないか」と声をかけられた。お店にはいると、販売員が寄ってきて「この絵は一点物だ」「作家が会いたいと言っている」「本来は130万円だが、110万円に値引きする」「送料も込みでいい」などと3時間にわたり説得され、断りきれずに契約書にサインしてしまったというものです。

相談者は明確に退去の意思を伝えておらず、クーリングオフの期間(8日間)を過ぎてしまっている、という問題がありました。しかし、契約書の内容に問題があり、裁判で争えばクーリングオフが認められる可能性がありました。また、絵画の性質について明らかに虚偽の事実を告げており、不実告知を理由とする取り消しが認められそうでした。そのほか、販売目的を告げずに勧誘したり、長時間留め置いていることは行政処分の対象になると思われました。

そこで、弁護士の名義で内容証明を送ったところ、すぐに販売店から電話があり、「絵画を返してもらえば、未払金は払わなくてよい」ということでした。悪い提案ではありませんでしたが、弁護士費用の負担を考えると、絵画を返して負担が残るのはかわいそうでしたので、さらに交渉し、既払金(既に支払ったお金)の半額程度を返してもらうことができました。

もし泣き寝入りしていれば、100万円以上を払わなくてはなりませんでした。弁護士に頼んだことで、不必要な絵画を引き取ってもらい、費用の負担もわずかですみました。うまく解決できた事例として、ご紹介させていただきました。

(田岡)

事業としての不動産賃貸借1(物件選び)

 事業として不動産賃貸を行う人が増えています。この低金利時代には不動産賃貸の実質利回りは魅力です。また、節税のメリットもあります。こう言うと良いことずくめのような不動産賃貸ですが、気をつけなければならない点もあります。

 高い利回りは入居者があればこその話です。空室が出たらむしろ持ち出しになります。一括借り上げも10年くらいが多く、しかも賃料は抑えられることが少なくありません。物件が老朽化するにつれて入居者の募集は困難になります。

 節税のメリットも同じことが言えます。節税の効果があるということは計算上損が発生するということです。そしてその損は、予定した賃料収入が得られず不動産を手放さなければならなくなる時には現実の損になります。建物の価格が建築価格あるいは購入価格よりも高く評価されることはまずないからです。

 それでも不動産投資が魅力ある選択肢の一つであることは確かです。リスクを見極めた上で、選択して下さい。いつまでも借りてもらえるのは立地その他の面で魅力ある物件です。節税を意識するあまり、価値のない物件を高値でつかむことだけは避けて下さい。

(櫻井)

2012年2月 5日 (日)

東雲サロンに行ってきました

2月2日に,東京都豊洲にある東雲住宅で行われた東日本大震災の被災者の方の交流会(「東雲サロン」)に参加してきました。東雲住宅には、南相馬から移り住んで来られた方が数多くおられます。

東雲サロンでは、お茶菓子を食べながら、おしゃべりを楽しんだり、福島の新聞を読んで、故郷の情報を仕入れたりします。
テーブルの上に広げられているのは、新聞やお茶菓子だけではありません。裁縫道具や、色とりどりの布の切れ端も、お店も広げていました。実は、東雲サロンは、裁縫や工芸のミニ講習会の場でもあるのです。
「あらやだー、可愛くなくなっちゃった!」と明るい笑い声が響いた方を見ると、タオルでお人形を作っていました。その名も「負けないゾウ」!つぶらな瞳で、耳のリボンがかわいいゾウのお人形です。
別のテーブルでは、おじいちゃんが職人技を披露して、布を割いて作ったカラフルなわらじが編みあげられていきます。
東雲サロンでは、かつては、被災者同士がおしゃべりや情報交換をしていただけでしたが、いつのまにか、縫い物が上手なお母さん、職人のようにわらじ作りが得意なおじいちゃんが先生になって、ミニ講習会が開かれるようになったそうです。縫い物やわらじ作りを通じて交流が深まり、さらに会話が弾みます。

3.11で被災者の方々が負った傷は深く、これからの不安もつきないはずです。それでも東雲サロンに集う人は、今の生活を精いっぱい楽しみ、充実させようとしています。東雲サロンは、「復興」がぎゅっと詰まった場所でした。

最後に、ぜひとも紹介したい逸品があります。

「相馬焼」です。
被災者の方の交流会に参加させていただくと、必ず相馬焼が話題に上り、皆さん目を輝かせながら、「あれは綺麗よね~」と、口をそろえて仰います。
一方で、相馬焼の窯元の家庭だったけれど、震災で窯が壊れて、再び相馬焼を作る目途が立たたない、家にあった相馬焼がほとんど割れてしまった、一時帰宅したときに相馬焼を持って帰りたいけど必需品を優先せざるをえないので持ってこられないなど、心の痛むお話もうかがいます。
ですが、相馬焼の窯に真赤な火が力強く燃え上がり、相馬焼の湯飲みで温かいお茶を飲みながら、みんなでおしゃべりできる日がきっとくる、東雲サロンで出会った方々の笑顔を思い浮かべると、私はそう信じてやみません。

(古宮)

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