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2012年1月25日 (水)

「正直私は,除染の方が・・・。」

 

先日,都内の東日本大震災の避難者交流会に参加させていただきました。
 この交流会には,弁護士だけでなく,司法書士の先生方や,放射能の除染に取り組む日本技術士会の先生方が参加されました。
 弁護士からは損害賠償請求とADRについての説明,技術士会の先生からは除染活動についての説明がなされました。

 冒頭のタイトルは,交流会の中盤,福島のお菓子を囲んで,避難者の方々と一緒にお茶を飲んでいた時に,
 隣に座っていらした避難者の男性が,私に言ってくれた言葉です。
こういうお話でした。

 私には,障がいを抱える家族がいます。
 家族と故郷で生活するためには,介護が必要です。
 介護ができるのは,若い介護士の方々です。
 でも,若い介護士の方々は,お家に帰れば若いお父さん,若いお母さんです。
家には,小さな息子や娘が待っています。
 自分は大丈夫でも,息子や娘のことを思うと,故郷に帰れないんです。
 だから,故郷には若い介護士の先生がいません。
 私も,介護のない故郷には,帰れません。
 損害賠償請求。大事だとは思うんですけど。正直私は,除染の方が・・・。

 ちょっとショックでした。
 弁護士になって,よし被災者の方の助けになるぞと意気込んでいた矢先に,除染の方がと言われてしまいました。
 弁護士に除染はできません。

 しばらく悶々としていたのですが,
 後日,原発被害の弁護団会議に参加した際,ふと思いました。

 たしかに,弁護士に,除染はできません。
 でも,国や地方公共団体による除染活動が進み,故郷にいつもの顔が戻り,
 当たり前の生活がもう一度始まるまでには,どうしてもお金がかかります。
 お金をもらっても悲しみは癒えないし,失ったものを計算するのは少し面倒くさいけれど,
 当たり前の生活を取り戻す,その準備のために,
 過去に目を向け,正当な権利の主張として,損害賠償請求をすることが必要になると思うのです。

 あの男性が一日でも早く故郷に帰れるように,
 故郷に帰るまでの日々を少しでもおだやかに暮らせるように,
 微力ですが,力になれたら幸せだと思いました。

(鏑木)

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