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2011年12月31日 (土)

自己紹介(鏑木信行)

はじめまして。弁護士の鏑木信行(かぶらぎのぶゆき)です。
早稲田大学法学部,上智大学法科大学院を卒業し,平成23年12月の弁護士登録とともに,当事務所に入所いたしました。
 
先日,地元の中学の同窓会兼忘年会に参加した時のことです。久しぶりに再会した旧友からこんな質問をされました。
 
「カブさんってさあ,この人絶対やってるっていう人でも弁護するの?」
 
実は,当事務所に入所した直接のきっかけは,絶対やってる人の裁判員裁判でした。
 
被告人の女性は,同棲相手の関心を引くために布団に火を付け,消防署員82名,消防団員21名が消火活動に従事する重大な火災を引き起こしました。傍聴席から法廷のスクリーンに映し出された丸焦げの部屋を見たとき,私は正直,ああ自分が隣の部屋に住んでいなくて良かったと思ってしまいました。
 
弁護人は,裁判員の方々に向かって,こう訴えました。
彼女が火を付けたことは争いません。これは許されないことです。
しかし,同棲相手の気を引きたいという一見短絡的な動機の背後には,彼女の抱える二つの問題が深く関与しています。
普通の人と同じように物事を感じることができないという人格障害の問題と,
長年精神病者のレッテルを貼られ,家族からも見放され,頼る人が誰もいないという環境の問題です。
犯した罪と向き合うためにも,二度と同じ事件を起こさないためにも,彼女には,治療と人間関係の再構築が必要です。直ちに刑務所に入れるだけでは,問題は解決しません。
裁判員の皆様には,彼女にとって本当にふさわしい刑は何なのかを,一緒にお考えいただきたいと思います。
 
裁判では,弁護人の主張に引き続き,責任をもって彼女を治療していきたいという受け入れ先病院の方の証言と,「自分が間違っていました。今からでも私が支えていきます。こんな被告人でも私の娘ですから。」という彼女のお父さんの証言がありました。
 
結果的としては,刑務所で罪を償わせるという判決がなされました。
それでも,彼女がただ何となく火を付けた人として裁かれたのではなく,心と環境に深い問題を抱えた人として裁かれたことに,意味があったと思いました。
 
この時の彼女の弁護人というのが,今一緒に桜丘法律事務所で働いている先輩の弁護士だったのです。
冒頭の質問に戻りますが,答えはもちろん「弁護します。」です。
ひとの人生の重大な局面に立ち会わせていただいているという自覚を持って,目の前の事件に真摯に向き合い,最善の結果が得られるよう努力し続ける所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

(鏑木)

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