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2011年9月 6日 (火)

法律相談

  法律相談。弁護士なら誰でも当然出来るでしょうと思われがちですが、案外そうでもありません。決まった方針に基づいて訴訟を提起する、あるいは提起された訴訟に応訴するのであれば選択肢の幅も相当程度絞られますが、そもそもこちらにどのような権利があるのか、その権利を実現するための方法としてはどのような物があり、それぞれを選択した場合の利害得失はどうか。それをどのタイミングで行うのがよいかなど、判断すべき事項も多く、その選択も様々だからです。ですから弁護士会によっては新人には弁護士会が行う法律相談を担当させないところもあります。
 
 数年前にこんな相談を受けたことがあります。
 相談者Aさんは、パートの職場の知人に懇願されて数度に分けて300万円ほどのお金を貸したが返してくれない。子どもの学費という借金の理由も嘘だった。そこで訴訟を起こした。その結果合計200万円を毎月2万円ずつ支払う旨の和解が成立した。ところがこの知人は毎月送金してこないで、2か月に1度まとめて4万円を送ってくる。毎月2万円支払わなければならないと和解調書に書いてあるのに、しかもそれはこちらが譲歩した結果なのに、横着をして2か月ごとに送ってくる態度が小憎らしい。何とかならないか。

 和解調書には「2か月分以上遅滞したときは期限の利益を失う」と書いてありますが、知人の支払方法は、2か月分の遅滞にはなりません。従って和解調書上はペナルティの対象にならないのです。

 法的に何らかの手立てが取れる事案ではありませんでしたが、私は次のように回答しました。
Aさん、お怒りはごもっともだけど、これは案外面白いですよ。和解条項のペナルティが2か月分以上の遅滞にならないと課せられないのは、何かの拍子で支払日を過ぎてしまうことがあり得るということを考慮して余裕を持たせているからです。ところが2か月に1度の振込みはこの余裕を自ら捨てているようなものです。本人は振込手数料を節約してうまくやっているつもりかも知れませんが、1度でもしくじったら期限の利益を喪失して一括弁済をしなければならなくなります。1度もしくじらないで50回送金を続けられるか見てやろうじゃありませんか。でもって、1回でもしくじったら、残金耳をそろえて返せと言ってやればよいのです。
 
法的な対応を考えるというのではなく、ちょっと視点を変えてもらっただけなのですが、Aさんはこの考え方を気に入ってくれたようでした。
弁護士からすると、こんなところも法律相談の面白さだと思います。

(櫻井)

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