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2011年7月

2011年7月26日 (火)

東電OL殺人事件に新展開

当事務所の神山啓史弁護士が主任弁護人を務める東電OL殺人事件の再審で新展開がありました。弁護団の要請に基づいて検察が実施した鑑定で、被害者の体内に残された精液のDNA型が、現場に遺留されたゴビンダ被告以外の者の陰毛のDNA型と一致したのだそうです。

弁護団は、ゴビンダ氏を逆転有罪にした東京高裁での審理の過程でゴビンダ氏以外の陰毛の存在に言及して第三者の存在の可能性を主張しましたが、裁判所は「掃除が不十分だった可能性があるから第三者の陰毛の存在は第三者が犯行に及んだ可能性があることにはならない」と退けました。繰り返します。「可能性があることにはならない」です。掃除が不十分で別の日の陰毛が残った可能性があることは認めますが、だからといって当日に侵入した人物の陰毛だという可能性が「あることにはならない」というのは論理の問題としておかしいというべきです。

今回の鑑定の結果は、少なくとも犯行当日ゴビンダ氏以外の人物が現場で被害者と避妊具なしで性交渉を行ったことを示すもので、東京高裁の上記事実認定が全く間違っていたということになります。

直ちに再審が開始されるべきです。

(櫻井)

2011年7月25日 (月)

詐欺会社も経費節減?-しょぼい詐欺会社「MT開発株式会社」

知人から新しい詐欺会社の情報を得ました。投資詐欺です。

その名もMT開発株式会社。レアメタル再生事業なのだそうです。資本金21億9千万円。総売上高は平成19年が2578億円、21年は3054億円ですよ。立派です。当期純利益が19年119億円、21年が166億円です。

 パンフレットによれば、2008年度は低迷しましたが、2009年度は増収となりましたとのこと、なかなか謙遜です。しかしいつが決算期なんだ?今は2011年だぞ。きっと古いパンフレットを大切に使い回しているのでしょう。

 それに住所。西新宿7-14-5富士ビル3Fです。西新宿あたりは立派なビルだろうと思って調べてみたら、ふっる~い3階建てのちっちゃなビル。たまたま1階が空いていて賃料23万円でテナントを募集していました。18坪だそうですから、小さな個人事務所を開くにはうってつけです。MT開発は最上階だったんですね(笑)。純利益が166億円も出てしまうのならもう少しいいビルを借りても良さそうなものですが、そこはそれ、堅実な経営姿勢なのでしょう。マークシティーの電話秘書なんかを使って本店住所だけは立派に見せていたベリーベリーカンパニーなんかは見習うべきです。おかげで騙される人が続出しました。

「弊社の発展と増益はこれからも躍進し続けるでしょう」(パンフレットより)

 発展と増益が躍進しちゃうんだ。何しろこんなに倹約してるんだからな。国語を勉強するともっと躍進するかも知れないぞっ。

 そういう堅実経営ですから、「提携先銀行■多数ある為、購入時に弊社より口頭でお伝え致します。」ということになります。どうです。銀行と提携しているのです。しかも、多数の銀行とです。きっと沢山の口座を買い集めていることでしょう。うかつにパンフレットに書くと意地悪な弁護士に口座凍結されてしまうので口頭でないと教えません。周到な態度です。
 ネットで調べてみたら、あるサイトのQAに既に詐欺会社だと載っていました。残念に思って電話を掛けてみましたが、まだ午後9時なのに誰も出ませんでした。

電話番号は03-5962-3318。担当の方は第一営業部の海江田卓。代表取締役は秋元博だそうです。皆さんも退屈なときに電話を掛けて遊んであげて下さい。

(櫻井)

2011年7月16日 (土)

弁護士ある種の活用法?

先日ある大規模詐欺の損害賠償請求事件の口頭弁論期日が開かれました。私が担当したのはいんちきカンパニーで電話オペレーターをしていた若い女性の弁護。知人の知人のその友人ということで紹介されて受任しました。この裁判は期日も2ヶ月に1度くらいしか入らず、進行も極めてゆっくりしています。また、原告代理人の先生方の仕事ぶりもやや雑なように感じられます。厳しい言い方をすると「被害者のためにやってあげているんだ」という印象です。確かに、大変な仕事を、少ない報酬で引き受けていることはわかりますが、そのことは仕事の質が低いことの言い訳にはなりません。裁判所は原告代理人の苦労を察して厳しいことは言いませんが、良質のビジネスローヤーだったらはるかに迅速且つ的確な仕事をするだろうにと思ってしまいます。

しかし、もっとすごいのは中心的(と思われる)被告数名の弁護を担当する弁護士。仕事らしい仕事は全くしていません。法廷での発言も的外れです。原告との和解交渉も、この弁護士が中心に行っているのかと思っていたら、原告代理人の連絡先が分からないから交渉できなかったなどと言い出すので腰が抜けそうになりました(原告代理人の連絡先は訴状に書いてあります)。詐欺の中心の皆さんはなぜこんなすごい弁護士を代理人に選任したのか。

それは、裁判をとことん長引かせたいからでしょう。そのためには話がなかなか通じなかったり、あまり仕事が速くなかったり、病気がちだったりする弁護士はうってつけです。この裁判、提起されたのは昨年でしたが、おそらく来年一杯かかっても判決は出ないでしょう。そう考えると中心的被告らの狙いはそこそこうまく行っていると言うべきかもしれません。
私が担当しているのは、詐欺に加担させられているとは全く気付ずに熱心に仕事をしていたオペレーター。こんなことなら怠けていればよかった。騙されていたことは悔しくてならないけれど、直接の被害者に対しては加害者的な立場であることは事実です。被害者の方々とは早期且つ個別に和解をしたいと考えています。

それにしても、著名事件であるにもかかわらず、あまりにもしまらない裁判だからか、傍聴人もほとんどいません。次回期日は10月6日午後4時30分から東京地方裁判所1階103号法廷で開かれます。一度、弁護士の仕事ぶりを見に来て下さい。

(櫻井)

2011年7月 7日 (木)

詐欺サイトの口座凍結します(無料)

 ワンクリックや懸賞、逆援助交際などをネタにしたネット詐欺の相談が絶えません。それならば、ということで、詐欺サイトの口座凍結を無料で行うことにしました。ネットを利用した詐欺などで不当に金銭を要求された場合、その指定口座の凍結を銀行に要請するとともに警察に情報提供します。

 口座凍結を依頼される方は、被害者の住所氏名と振込み指定口座及び被害の内容(実際に振込みをしていなくてもかまいません)をメールやFAXあるいは郵便等でお知らせ下さい。その際、サイトのURLや、サイトから来たメール、書簡などのコピーもお寄せ下さい。なお、ご連絡は原則として被害者ご本人からお願いします。また、身分証明書等で身分の確認をさせて頂くことがありますのでご了承下さい。

(櫻井)
 

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