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2009年10月19日 (月)

司法試験合格者数と業界エゴ

櫻井です。10月16日に中部弁護士会連合会の定期大会に出席してきましたが、大変ショックなことがありました。この大会で、司法試験の合格者を年間1000人に減らすべきだという決議があげられたのです。弁護士の激増は合格者の質の低下と過当競争による既存の弁護士の質の低下をもたらすというのがその理由のようです。そうしてひいては弁護士の質を見極めることができない国民に害が及ぶと言うのです。

私は、おためごかしが嫌いです。まず、合格者の質の低下を能力と言う点で言うならば、ろくに勉強せずに、平気で質の低い仕事をしている「ベテラン」の弁護士が数多くいることを何とかする方が先でしょう。質の低下をモラルの低下という点で見るなら、先日覚せい剤でつかまった弁護士は合格率2%時代の弁護士です。依頼者に対する対応がひどいというクレームは合格者500人時代の弁護士にも多数寄せられています。

弁護士が増えると食えなくなって悪いことをする奴が出てくるというのも乱暴な議論です。そもそも悪いことをする弁護士は「食えない」弁護士ではなく、「欲張り」な弁護士です。むかし銀座の老女の遺言書を偽造して遺産を騙し取ろうとしたのも、金融会社の新株発行増資でインサイダー取引をしたのも、推定年収が億単位の弁護士でした。それとも決議をあげた先生方は、自分たちは収入が減ったら悪いことをすると考えているのでしょうか。だったらそのような弁護士に「質」を云々する資格はありません。

国民が弁護士の質を見極められないというのも人を馬鹿にした話です。弁護士の側で情報を公開しないから選ぶのに苦労しているだけです。

就職できない弁護士が出るとかわいそうだと言いますが、私に言わせれば、「就職できないとかわいそうだ」というおためごかしで合格させてもらえないロースクール卒業生の方がもっとかわいそうです。

ちょっと憂鬱な週末でした。

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