2016年8月23日 (火)

9月,10月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で行います。

日時
9月15日(木)午後6時から午後8時頃まで
10月24日(月)午後6時から午後8時頃まで

場所
伊藤塾東京校521B教室

★ゼミ終了後に神山弁護士を囲んでの懇親会を予定しています。

http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹,修習生,学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に,現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。

特に,実務家の方からの,現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。
方針の相談や,冒頭陳述・弁論案の批評等,弁護活動にお役立ていただければと思います。
なお,進行予定を立てる都合上,受任事件の持込相談がある場合には,参加連絡の際にその旨伝えていただけると助かります。

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を鈴木彩葉(suzuki@sakuragaoka.gr.jp)までご連絡下さるようお願いします。

※スパム対策として,@を全角にしています。半角の@に変換して送信してください。

[件名] 9月の神山ゼミ(10月の神山ゼミ)
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・懇親会の出席の有無
・持込相談の事件がある場合にはその旨を。

皆様のご参加をお待ちしています。

2016年8月 7日 (日)

就職活動と前科・前歴

 被疑者、被告人から、警察に捕まったことが就職活動に与える影響について相談を受けることがあります。

 典型は、

① 履歴書の賞罰欄に捕まったことを書かなければならないのか、

② 前科や前歴のことを面接でどのように言えば良いのか、

というものです。

 弁護士によって回答は別れると思いますが、私なりの考え方をお伝えさせて頂きます。

 先ず、①の問題についてお話しします。

 結論から言うと、前歴に留まる限り記載しなくても構わないと思います。他方、前科をお持ちお方の場合、賞罰欄に「なし」とは書けません。この場合、賞罰欄を空欄にしておいたり、賞罰欄のない履歴書を使用したりして対処することになります。

 前歴とは、罪を犯したものの起訴猶予になった履歴や、少年時代に処分を受けたりした経歴などをいいます。前科とは分かりやすく言えば、裁判所で有罪判決を受けたことをいいます。

 履歴書「賞罰」欄の「罰」の解釈について、東京高裁(東京高判平3.2.20労判592-77)は、

「履歴書の賞罰欄にいわゆる罰とは、一般的には確定した有罪判決をいうものと解すべき」

と判示しています。

この判例では上告がされていますが、最高裁でも東京高裁の判断は維持されています(最判平3.9.19労判615-16)。

 この判決を根拠にすれば、「有罪判決を受けたわけではないから『罰』はない」という解釈が成り立ちます。ここから前歴である限り賞罰欄には記載しなくても良いのではないかというアドバイスが導かれます。

 他方、確定した有罪判決を受けている場合、賞罰欄に「なし」と記載することはできません。

 しかし、積極的に告知しないことにはそれほどの問題はないと思います。

 前の職場においてセクハラ・パワハラを行ったとして問題にされたことを告知しなかったことを理由とする解雇の可否が問題となった事案ではありますが、東京地裁(東京地判平22.11.10労判1019-13)は、

「告知すれば採用されないことなどが予測される事項について、告知を求められたり、質問されたりしなくとも、雇用契約締結過程における信義則上の義務として、自発的に告知する法的義務があるとまでみることはできない。」

と判示しています。

 少し大雑把に言えば、要するに積極的に虚偽を述べない限り秘匿しておく分は構わないという理解が成り立ち得るということです。セクハラ・パワハラと前科は異なりますが、これを類推することで、賞罰欄を空欄にしておいたり、賞罰欄のない履歴書を使ったりすることは差し支えないのではないかというアドバイスが導かれます。

 次に、②の問題についてお話しします。

 この問題への回答のヒントも上述の東京地裁の判例にあります。

 尋ねられた場合に積極的に嘘を言うことはできませんが、嘘にならない範囲で回答したり、聞かれない限り黙っているという姿勢で臨んだりすることは差支えないのではないかと思います。

 以上が就職希望者、労働者側の立場に立ったアドバイスになります。

 なお、これとは逆に使用者側から前科・前歴のある人の採用を見合わせる方法を尋ねられた場合には、特定の書式の履歴書の使用を指定したり、面接で明確に尋ねたりしておくといったアドバイスをすることになります。

「採用を望む応募者が、採用面接に当たり、自己に不利益な事項は、質問を受けた場合でも、積極的に虚偽の事実を答えることにならない範囲で回答し、秘匿しておけないかと考えるのもまた当然であり、採用する側は、その可能性を踏まえて慎重な審査をすべきであるといわざるを得ない。」

と判示した判例もあるため(前掲東京地判平22.11.10労判1019-13)、採用側には注意が必要です。

(弁護士 師子角 允彬)

2016年7月14日 (木)

慰謝料肩代わりの約束と不倫・不貞

「不倫女性が慰謝料をチャラにする『法律の抜け穴』の存在とは」という記事が下記のサイトに掲載されていました。

http://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_Wooris_208213/

http://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_Wooris_208213/

 記事には、

「『もしあなたの奥さんから慰謝料を請求されたら……』と不倫女性が不安を訴えるのに対し、夫が『大丈夫! 何かあってもお前を守るから』などと無責任な発言をして、慰謝料肩代わりの約束に至るケースが多いようです。」

と書かれています。

 ここで言う「慰謝料肩代わりの約束」というのは、

「妻が(夫の)浮気相手に慰謝料を請求してきた場合、夫が慰謝料を立て替えて妻に支払うという約束」

を意味しているようです。

 このような契約を結んでいれば、不倫相手女性に慰謝料を請求しても、夫の財産(夫婦共通の財産)から不倫相手女性にお金が流れるため、妻は不倫相手女性に不貞慰謝料を請求しにくいというのが記事の論旨のようです。

 こういう不審な記事を真に受ける方は少ないとは思います。しかし、「慰謝料肩代わりの約束」なる契約を結び、安心して不貞行為に及ぶ方がいないように注意喚起しておきます。なお、問題の記事が例示しているのが、夫が第三者女性と不倫をした場合のようですから、以下ではその場合を例に解説します。

 先ず、安心して不貞行為の相手方になるため「慰謝料肩代わりの約束」を結んだとしても、契約の有効性には強い疑義があります。

 法律の基礎的な論点として「動機の不法」という問題があります。賭博資金を得るため金銭消費貸借契約をした場合、売春目的で家屋の賃貸借契約をした場合などのように、契約をする目的ないし動機が違法な場合、その契約の効力をどのように理解するかという問題です。

 判例は当事者が動機を法律行為の内容とした場合、一方の違法な動機を相手方も知っている場合などで契約を無効だと判示してきました。

 不倫は犯罪ではありません。しかし、民法上の違法行為ないし不法行為には該当します。不貞関係を維持するため、予め「慰謝料肩代わりの約束」をする場合、そこには違法行為を行うために契約を結んでいるという要素が出てきます。また、不倫への心理的負担を軽くし、これを容易にするために契約を結んでいることは不倫をする夫も不倫相手女性も知っているわけです。通説的な理解を前提にすれば、「慰謝料肩代わりの約束」は無効と判断される可能性が高いと思います。実際、大審院時代のものではありますが、不倫をした夫が不倫相手の女性に将来結婚することを約した上で扶養料を支払うことを内容とした契約について、その法的効力を否定した判例もあります(大判大正9.5.28大審院民事判決禄26773頁参照)。契約が無効である場合、不倫相手女性にも普通に負担割合が生じてきます。

 また、夫婦共通の財産からの金銭の流出が抑止力になるのは、婚姻関係が維持される場合だけです。妻が不貞夫との離婚を決意した場合、不貞夫と不倫相手女性との間での内部的負担割合がどうなっていようが妻にとっては関係ありません。

 ここで重要なのは、妻が不貞夫と別れるつもりになるかどうかは不倫相手女性に全く予測できないことです。偶然的な事情に依存せざるを得ない時点で、紛争予防を目的とした枠組みとしてはかなり問題があると思います。

 記事では行政書士が「不倫女性から依頼を受けて公正証書など公的書類を作成したケースは100件をくだらない」とも書かれています。

 公証人法26条は無効の法律行為について公正証書を作成することを禁止しています。この記事が本当であるとすれば、公正証書の作成に何等かのイレギュラーな事情が介在している可能性もあると思います。

 法律の抜け穴はそうそうありませんし、見つけようとしたところで不幸になる人が増えるだけです。法律の抜け穴を標榜する記事は真に受けないのが一番です。

(弁護士 師子角 允彬)

2016年7月 1日 (金)

会社役員を辞めたい

 辞めたいのに辞められないというお悩みは、従業員の方だけではなく会社役員(取締役、監査役など)の方にもあるようです。辞められない背景事情により幾通りかの進め方がありますが、今回はオーソドックスな辞め方についてお話します。

 会社役員と会社との関係は委任に関する規定に従うとされています(会社法330条)。

委任契約は各当事者からいつでも解除することができます(民法651条)。

相手方に不利な時期に委任契約を解除した場合、損害賠償義務を負う場合があります(民法6512項本文)。しかし、やむを得ない事由に基づいて契約を解除した場合には、損害賠償義務を負うことはありません(民法6512項但書)。

また、損害賠償義務を負う場合でも、我が国の法制上、賠償額は実損額に限られます。そして、損害が生じたこと及びその額の立証責任は、賠償を請求する側、会社側にあります。

このルールを理解していれば、損害賠償のリスクを抑制しながら辞めることはそれほど難しくありません。

具体的には、一定期間に渡って引継ぎ事務を行うことを申し出ながら辞任の意思表示をすることになります。引継ぎ期間を設けるのは「不利な時期」と言われることを避けるためです。また、引継ぎをしておけば普通は「損害」が生じることはありません。なお、引継ぎを申し出ておけば、仮に会社側が引継ぎを指示しなかったとしても、そのことによって生じた損害は自業自得という言い方をするためでもあります。

辞任した後は、それを会社に登記してもらうことになります。会社が登記をしない場合には、会社を相手取り、辞任登記手続を行うことを求める訴訟を提起することができます。これにより判決が得られれば、会社が登記をしなくても、単独で退任登記をすることが可能になります(ただし、最低員数を欠くことになる場合には仮取締役の選任の申立など更に別途の手続きが必要になります)。

辞めたことを登記上も反映させることができれば、この問題は一件落着です。

(弁護士 師子角 允彬)

2016年6月24日 (金)

7,8,9月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で行います。

日時
7月12日(火)午後6時から午後8時頃まで
8月17日(水)午後6時から午後8時頃まで
9月15日(木)午後6時から午後8時頃まで

 

場所
伊藤塾東京校521B教室

http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹,修習生,学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に,現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。

特に,実務家の方からの,現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。
方針の相談や,冒頭陳述・弁論案の批評等,弁護活動にお役立ていただければと思います。
なお,進行予定を立てる都合上,受任事件の持込相談がある場合には,参加連絡の際にその旨伝えていただけると助かります。

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を鈴木彩葉(suzuki@sakuragaoka.gr.jp)までご連絡下さるようお願いします。

※スパム対策として,@を全角にしています。半角の@に変換して送信してください。

[件名] 7月の神山ゼミ(8月,9月の神山ゼミ)
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・持込相談の事件がある場合にはその旨を。

※9月以降は,ゼミ終了後に懇親会を予定しております。9月以降のゼミに参加を希望される方で懇親会への参加もご希望の方は,その旨お知らせください。

皆様のご参加をお待ちしています。

2016年6月 5日 (日)

アリバイ会社

 アリバイ会社と呼ばれている会社があります。一般の方には聞きなれない言葉だと思います。法令用語でも学術用語でもないため正確な定義はありませんが、ざっくり言うと、会社に勤務しているという外観を提供する会社を言います。

 主な利用者は、収入が不安定な自営業者、収入が低い方、無職の方、水商売で働く方など、職業面で社会的信用を得にくかったり、勤務先を隠したいというニーズを持っていたりする方のようです。

 アリバイ会社はペーパーカンパニーを設立した上、電話での在籍確認に対応したり、源泉徴収票や給与明細書、名刺、社員証などの発行をしたりして、あたかも顧客がその会社で働いているかのような形を提供します。

 直観的にお分かりになるかと思いますが、このような業者を利用することには適法性に強い疑義があります。

 例えば、アリバイ会社から発行してもらった実所得を反映しない源泉徴収票などを利用して借金をした場合、詐欺罪が成立する可能性が高いです。住宅ローンなど金額が大きい場合には、警察が動く可能性も十分にあります。

 また、無職、無収入であるにもかかわらず、あたかも働いているかのように装って婚活サイト等に登録して交際相手と婚約するなどの行為は、民事上、不法行為を構成するように思われます。婚約者が真実を知った場合、婚約の破棄に加えて慰謝料を請求されるリスクも否定できません。

 アリバイ会社を利用して行うことには、大なり小なり違法性を伴うことが多いように思われます(適法な利用の仕方というものがあまり思いつきません)。違法行為を助長することになるため、アリバイ会社には事業自体の適法性にも強い疑義があります。

 アリバイ会社の利用をお考えの方は、思い止まり、利用を控えることをお勧めします。

 他方、アリバイ会社絡みで損害を受けた方は、加害者だけではなくアリバイ会社に対しても共同不法行為者としての責任を追及して行くことが考えられます。

(弁護士 師子角 允彬)

2016年5月23日 (月)

不動産の強引な訪問販売2

前回は居住用マンションを売りつけられそうになったケースについて説明しました。

しかし、近時は投資目的ないし事業用のマンションを売りつけられるケースも珍しくありません。

事業用にマンションを売りつけられた場合には、自分で住む居住用のマンションを買った時よりも契約の効力を否定しにくくなります。業者から消費者契約法の適用を争われることがあるからです。事業として契約の当事者になった方は、消費者契約法が定義する「消費者」にあたりません(消費者契約法21項)。投資用マンションの場合、この規定との関係で消費者契約にあたるのかが争われる場合があります。もちろん、投資用マンションだからといって直ちに消費者契約であることが否定されるわけではありません。しかし、居住用マンションの場合との比較で救済を難しくすることは否めません。

したがって、投資用のマンションの購入をしつこく勧誘された場合には、毅然と断り続けることが何よりも重要になります。勝手に家に押しかけてきた人が帰れと言って帰らない場合には、不退去という犯罪(刑法130条後段)が成立します。ある程度言って聞かなければ、これを根拠に警察を呼ぶことも考えられます。

ただ、押されてつい申込をしてしまった場合について、救いがないかといえばそういうわけでもありません。不動産の売買契約は申込書の提出、銀行への融資の申し込み、正式な売買契約書の取り交わしなど成立に向けて段階を追っていくのが通常です。単に申込書を出しただけに留まっている場合、「本契約の締結はしません。」と宣言すれば、契約の不成立を理由に代金の支払いを免れられる余地も十分にあります。被害にあった後、時機を失せずに(すぐに)弁護士のもとに相談に行けば、不本意な契約に拘束されることを防げる可能性があります。仮に契約に拘束されるとしても、早期であれば業者に損害が生じていないことを理由に高額の損害賠償は防げるのではないかとも思います。

 近時の悪徳業者の手口は昔に比べるとずっと洗練されています。裁判で負けたり行政から指導・処分を受けたりするたびに営業のスタイルをちょっとずつ修正してきます。例えば、居住用マンションの販売で負けたから、今度は投資用マンションを売るといったような例が典型です。普通の業者は間違いを犯したら根本的な改善を試みますが、悪徳業者は何か特殊な信念でも持っているかのように常に法律ギリギリのラインを狙ってトライ・アンド・エラーを繰り返してきます。

 法文はインターネットで公開されていますが、消費者関係の法律は使い手である一般の消費者では読みこなせないほど難解であることが珍しくありません。特定商取引法などはその典型と言っても良いと思います。

 一般消費者が一人で悪徳業者に立ち向かうのは難しいのが実情です。

 時間が経てば経つほど契約の効力は否定しにくくなります。お困りの時は、できるだけお早目にご相談ください。

(弁護士 師子角 允彬)

不動産の強引な訪問販売1

先日の法律相談で、強引に居住用マンションを売りつけられそうになっていた方がいました。いきなり家に訪ねて来られ、帰ってほしいと言っても帰ってくれず、4時間近くも購入の勧誘を受けたとのことでした。

 訪問販売を受けて契約を申し込んだ場合、クーリングオフできること(法定書面を受け取った時から8日間以内であれば無条件に契約を解除できること)は良く知られています。

しかし、不動産の購入に関しては、クーリングオフしにくいのが実情です。

 訪問販売を受けた消費者がクーリングオフできることは特定商取引に関する法律に定められていますが、これには適用除外があります。宅地建物取引業法に定める「宅地若しくは建物(建物の一部を含む)」の販売もその一つです。建物の一部というのは、要するにアパートやマンションの一室のようなものです。したがって、居住用マンションの一室を販売するといった取引にはクーリングオフの適用はありません。

 不動産の購入は訪問販売による場合であっても簡単にはなかったことにできないので注意が必要です。

 では相談のようなケースが救済されないのかと言えば、そういうわけではありません。

 消費者契約法43項は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、消費者から退去を求められたにもかかわらず退去しなかった場合について、困惑して契約を締結する意思表示をしてしまった消費者に対し、契約を取り消す権利を認めています。

 冒頭のような事案の場合、仮に契約を結んでしまっていたとしても、消費者契約法43項に基づいて契約を取り消すことが考えられます。

 自宅に押しかけてきた業者から強引な営業をかけられた場合、きちんと「帰ってください。」ということを言っていたのかどうかが重要なポイントになることもあります。このことはもっと注意喚起されて良いように思われます。

(弁護士 師子角 允彬)

2016年5月12日 (木)

6月,7月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で行います。

日時
6月16日(木)午後6時から午後8時頃まで
7月12日(火)午後6時から午後8時頃まで

 

場所
伊藤塾東京校521B教室

 

http://www.itojuku.co.jp/keitai/tokyo/access/index.html

備考
法曹,修習生,学生に開かれた刑事弁護実務に関するゼミです。刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に,現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。

特に,実務家の方からの,現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。
方針の相談や,冒頭陳述・弁論案の批評等,弁護活動にお役立ていただければと思います。
なお,進行予定を立てる都合上,受任事件の持込相談がある場合には,参加連絡の際にその旨伝えていただけると助かります。

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を鈴木彩葉(suzuki@sakuragaoka.gr.jp)までご連絡下さるようお願いします。

※スパム対策として,@を全角にしています。半角の@に変換して送信してください。

[件名] 6月の神山ゼミ(7月の神山ゼミ)
[内容]
・氏名:
・メールアドレス:
・持込相談の事件がある場合にはその旨を。

皆様のご参加をお待ちしています。

2016年4月 1日 (金)

障害者差別解消法がスタートしました

4月1日から障害者差別解消法(正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)が施行されました。

 

この法律の目的は「障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資すること」とされています。

つまり、障害のある人への差別をなくして、障害のある人もない人も、孤立することなく、社会の構成員として支え合うような世の中を作る、ということを目的としています。

 

障害者差別解消法の特色は、差別を解消するための措置として、「不当な差別的取り扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」を定めているところです。

 

「不当な差別的取り扱いの禁止」は、国・地方公共団体だけでなく、事業者(会社やお店を営む人)にも法的義務として課されています。

不当な差別的取り扱いの例としては、障害を持っていることを理由にアパートを貸してくれない、職場において障害を理由に退職を強要される、医療機関などにおいて本人を無視して支援者や介助者のみに説明をする、といったものが挙げられます。支援者や介助者ばかりに説明をするという例は、これまでの私の成年後見人としての職務内容を思い返すと、ご本人に十分な説明をできていたのだろうかと、自問するところでもあります。

 

また、「合理的配慮の提供」の例としては、スタジアムの座席を車いす利用の人も見える配置にする、耳の不自由な人のために施設内放送を電光表示板で表示する、自筆が困難な人のためにタブレット端末を活用してコミュニケーションを図る、といったことなどが挙げられます。つまり、障害のある人もない人も、分け隔て無く参加するために必要な個別的サポートのことを、合理的配慮といいます。

合理的配慮の提供については、国・地方公共団体は法的義務が課されていますが、事業者には努力義務の限度に留まっています。

 

ただ、障害者差別解消法が施行されても、何をもって「不当」というのか、どうすれば「合理的」な配慮といえるのか、特に経済的なコストが発生する場合(たとえば段差を解消するためにスロープを設置する)はどこまですべきなのか、といったことは、それぞれの具体的な場面で考えていく必要があります。

そのためには、障害のあるなしにかかわわらず、その場に関わっている人たちが自分の希望を表明して、安心して話し合えることが大事になると思います。

しかし、そういった建設的な話し合いをすることができないという場合には、各行政機関の相談窓口や、都道府県労働委員会の個別労働紛争あっせん手続きを利用する必要があります。

自分の希望をうまく伝えられない、当事者同士では話し合いがスムーズにいかない、そのようなことでお困りのときは、お気軽にご相談ください。

 

(小堀 惇)

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