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2026年3月28日 (土)

当番弁護士減少についての産経社説について

 3月27日付産経新聞の「当番弁護士の減少 司法担う使命感あるのか」と題する社説は、当番弁護士の登録者の減少を憂うものであるが、その責めの大部分を弁護士あるいは弁護士会に負わせる趣旨のもので、私が所属する第二東京弁護士会の当番弁護士登録率が全国最低で10%を切っていることを指摘した上で「大変恥ずかしい数字である」とまで酷評している。

 しかし、誰が何を恥じるべきなのか。議論の前提として、当番弁護士制度の成り立ちから考えてみたい。

 社説では「刑事事件では、逮捕から勾留の可否が決まるまでの最長72時間は国選弁護制度の対象外となる。当番制度はこの期間を埋めるため設けられた。」と紹介されているが、間違いである。当番弁護士制度が発足した当時には被疑者国選の制度は存在しなかった。逮捕後最長23日間、別件で再逮捕を繰り返せばさらに数十日も勾留が続く中で取られた自白調書が多くの冤罪事件を生んでいることは弁護士の間では当時から自明だった。これを防ぐためには逮捕勾留段階から弁護人がつくことが必要だった。しかし国は被疑者段階の国選弁護制度の新設には頑として応じない。そうであれば、せめて逮捕後速やかに適切な助言をする体制を弁護士会自前で作ろうとして始めたのが当番弁護士の制度だ。範となったのは英国のduty solicitor(デューティーソリシター、「当番弁護士」と訳される)の制度である。体制の整った大分県弁護士会が1990年に最初に実施し、1992年に全国実施が実現した。弁護士が身銭を切ってまでして作ったこの制度は各方面に衝撃を与え、日弁連戦後最大のヒット商品と称された。そして私たちはこの制度を被疑者国選弁護の布石と考えていた。

 被疑者国選までの空白の72時間を埋めるためにできたものではなく、被疑者段階の弁護士の必要性を証明し、且つ日弁連・弁護士会はその担い手たりうることを実証するべく、被疑者国選実現を目指して作った制度なのである。

 こうした経緯を見るだけでも、登録者数や登録率の減少をとらえて「司法を担う使命感があるのか」との意見がいかに皮相なものであるかわかるだろう。

 被疑者国選実現の最大の障害は弁護士過疎地域が存在することだった。1度の接見・助言の援助に止まらず、現実に弁護人に就任して弁護活動を行うとなれば、本庁からの出張では到底賄えない。私が司法過疎解消のために桜丘法律事務所を立ち上げて司法過疎地域に弁護士を送り続けたのもその障害の解消のためであった。

 日弁連・弁護士会は司法過疎解消のためにひまわり基金を設け、各地にひまわり基金法律事務所を設置した。法テラスの設立に当たっては「スタッフ弁護士」の制度を設け、司法過疎対策を充実させた。その上で、被疑者段階の国選制度が生まれたのである。

 この時、多くの弁護士/弁護士会は当番弁護の負担から解放されることを期待したが、制度設計の困難や対応能力の問題があったため、国選弁護が付けられるのは勾留決定後からということになり、空白の72時間が残った。そのため、当番の制度も存続したまま今日に至っている。

 今、日弁連では逮捕段階からの国選弁護の実施について議論しているが、当番弁護士の制度はしばらく続きそうだ。当番弁護士の担い手が不足するようになっては困るが、登録率よりも登録の数と質を問題にしたい。勾留請求の却下率は、登録率が全国最低ランクの東京が最も高い。

 私は、日弁連や弁護士会が当番を義務化して強制することには反対だ。意欲や起訴前弁護の力量に欠ける弁護士に強いることで良い結果が生まれるとは思えないからだ。

 司法の分野も専門化が進んでいる。今日の弁護士は、人権の擁護を旨としながらそれぞれの分野で司法を担っている。当番に登録しないからといってその弁護士が司法の担い手たる使命感を持っていないかのように言うのはいささか早計であろう。記者は試みに自社あるいは自社グループの顧問弁護士等に、当番に登録しているかどうかを一度尋ねてみてはいかがだろうか。

 

2026年3月18日 (水)

4月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で開催いたします。

 

【4月】

 

日時:4月16日(木)午後6時~

 

場所:対面とGoogleMeetでのハイブリッド開催

 

※会場参加の申込期限4月10日(金)まで

 

【備考】

 

法曹、司法修習生を対象にした刑事弁護実務に関するゼミです。 刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。特に、実務家の方からの、現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。

 

方針の相談や、冒頭陳述・弁論案の批評等、弁護活動にお役立ていただければと思います。

 

進行予定を立てる都合上,受任事件の持込相談がある場合には、参加連絡の際にその旨お伝えください。

 

なお、会場の定員に達した場合は、司法修習予定者・司法修習生を優先し、それ以外の方についてはお申込みの先着順となりますのであしからずご了承ください。

 

 

 

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を江平歩佳(ehirasakuragaoka.page)までご連絡下さるようお願いします。

 

※スパム対策として,@を全角にしています。半角の@に変換して送信してください。

 

 

 

[件名]4月の神山ゼミ

 

[内容]

 

・氏名

 

・所属

 

・メールアドレス

 

・会場参加・オンライン参加のどちらか

 

・持込相談の事件がある場合にはその旨

 

 

 

皆様のご参加をお待ちしています。

 

 

 

弁護士 江平 歩佳

2026年2月26日 (木)

3月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で開催いたします。

【3月】

日時:3月12日(木)午後6時~

場所:対面とGoogleMeetでのハイブリッド開催

※会場参加の申込期限3月6日(金)まで

【備考】

法曹、司法修習生を対象にした刑事弁護実務に関するゼミです。 刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。特に、実務家の方からの、現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。

方針の相談や、冒頭陳述・弁論案の批評等、弁護活動にお役立ていただければと思います。

進行予定を立てる都合上,受任事件の持込相談がある場合には、参加連絡の際にその旨お伝えください。

なお、会場の定員に達した場合は、司法修習予定者・司法修習生を優先し、それ以外の方についてはお申込みの先着順となりますのであしからずご了承ください。

 

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を江平歩佳(ehirasakuragaoka.page)までご連絡下さるようお願いします。

※スパム対策として,@を全角にしています。半角の@に変換して送信してください。

 

[件名]3月の神山ゼミ

[内容]

・氏名

・所属

・メールアドレス

・会場参加・オンライン参加のどちらか

・持込相談の事件がある場合にはその旨

 

皆様のご参加をお待ちしています。

 

弁護士 江平 歩佳

2026年2月16日 (月)

LINEヤフー社に対する弁護士会照会について(通報機能を活用したアカウント特定)

投資詐欺やマッチングアプリでのトラブルなど、LINEを通じた被害のご相談をよく受けます。以前は、LINEヤフー社が「弁護士会照会(弁護士が調査のために情報を求める手続き)」に対してなかなか情報開示をしてくれず、私たち弁護士ももどかしい思いをすることが多くありました。

しかし、近時LINEヤフー社側が弁護士会照会への対応を変えたため、通報機能を正しく使うことで、相手の情報を特定できる可能性が広がりました。

これまで、SNS事業者は通信の秘密やプライバシーの観点から、裁判所を通さない情報開示には非常に消極的でした。特にLINEは、氏名や住所を登録せずに利用できるため、被害者が相手のLINEしか連絡先を知らない場合、調査が完全に行き詰まってしまうことが少なくなかったのです。

これに対し、弁護士会からもSNS事業者の対応について、「被害回復の大きな障害になっている」と強い意見が出されていました。

しかし、昨年末以降、現在は、前述の通りLINEヤフー社側が弁護士会照会への対応を変えたため、LINEの通報機能をきっかけにして、弁護士会照会で相手の電話番号を確認できるようになりました。

「通報しても無視されるだけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、この手続きにおいて「通報」は、特定のアカウントをシステム上で一意に特定するための重要な目印になるのです。

もしあなたがトラブルに巻き込まれたら、弁護士に相談する前に以下の準備をしておいてください。これがあるだけで、その後の手続きがスムーズになります。

LINEアプリを最新版にする

まずは、ご自身のLINEを最新の状態にアップデートしてください。

・「プロフィール画面」から通報する

必ず相手の「プロフィール画面」にあるメニューから通報してください。

・通報した「日時」と「回数」をメモする

これが最も重要です。

通報した正確な時刻(分単位)と、何回通報したかを記録してください (〇〇〇〇年〇〇月〇〇日 1520分に1回、など)。通報画面のスクリーンショットを撮っておくのが一番確実です。

弁護士会照会により、相手の電話番号が判明すれば、そこから相手の氏名・住所等が判明する可能性が出てきます。ただ、時間が経つと情報が削除されてしまい、調査ができない可能性が高くなりますので、「怪しい」と思ったら早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。

(大窪和久)

2026年2月 3日 (火)

2月の神山ゼミ

神山ゼミを以下の要領で開催いたします。

【2月】

日時:2月16日(月)午後6時~

場所:対面とGoogleMeetでのハイブリッド開催

※会場参加の申込期限2月12日(木)まで

【備考】

法曹、司法修習生を対象にした刑事弁護実務に関するゼミです。 刑事弁護を専門にする神山啓史弁護士を中心に、現在進行形の事件の報告と議論を通して刑事弁護技術やスピリッツを磨いていきます。特に、実務家の方からの、現在受任している事件の持込相談を歓迎いたします。

方針の相談や、冒頭陳述・弁論案の批評等、弁護活動にお役立ていただければと思います。

進行予定を立てる都合上,受任事件の持込相談がある場合には、参加連絡の際にその旨お伝えください。

なお、会場の定員に達した場合は、司法修習予定者・司法修習生を優先し、それ以外の方についてはお申込みの先着順となりますのであしからずご了承ください。

 

参加を希望される方は予めメールにて,下記の事項を江平歩佳(ehirasakuragaoka.page)までご連絡下さるようお願いします。

※スパム対策として,@を全角にしています。半角の@に変換して送信してください。

 

[件名]2月の神山ゼミ

[内容]

・氏名

・所属

・メールアドレス

・会場参加・オンライン参加のどちらか

・持込相談の事件がある場合にはその旨

 

皆様のご参加をお待ちしています。

 

弁護士 江平 歩佳

 

2026年1月21日 (水)

マルチまがい商法にご注意!

後出しマルチということばを知っているでしょうか。

一般的に、マルチと言えばアムウェイなどが有名ですが、「後出し」マルチは正確には特定商取引法上の連鎖販売取引、つまりは純正のマルチとは違うものです。文字通り、最初はマルチではないように見せかけて、後からマルチであることがわかるのです。

この後出しマルチですが、最近特に若年者が多く被害に遭っています。

最初はたいてい、マッチングアプリで出会います。マッチングアプリは今や若者の間で気軽なツールとなっており、必ずしも恋人探しの道具として使われているわけではありません。うまくいけば恋人になるかも、程度の気軽さでマッチング相手と会い、異性としては特に好みではなくても、趣味や興味が合いそうであれば会話は続きます。そのため、マッチングアプリ上で副業や投資等を紹介されることもたくさんあるのです。

会ってみると、相手から実際に自身が稼いでいるという副業の話や投資の話をされる。当然、すごいね、とか興味があるような相槌を打つでしょう。業者が万の広告を打つより、直接会話を交わしている相手の方が興味があるという回答を引き出しやすいのです。そうすると、実際に会って副業や投資の先輩に話を聞きに行こう、となります。実際に会うと、どうして稼ぎたいのかという動機や将来の夢を聞かれ、夢のためなら頑張れるよね、等と言われます。夢もお金も要らない、とは回答しないでしょう。そして、そのために講座を受ける必要があるとか、コンサルティングを行うとか、そのような名目でお金を支払わせます。講座を受ければあなたもすぐ稼げるようになる、コンサルティング契約による完全サポートがあるから大丈夫、と言われて、初期費用が高いな、そんなお金はないなと思っても、周りの皆が借りて返せば大丈夫、1ヶ月で返せる、私も返せた、むしろその後ずっと継続的にお金になると言って迷わせる余地を与えません。最近は、初任給からそれなりの額が約束される時代になりましたから、お金も50万~100万程度ならすぐ借りられてしまうのです。借りたお金は現金手渡し、もしくは即暗号資産に換えて送金するように言われることが多いです。言わずもがな、現金手渡しや暗号資産だと追跡が困難になるからです。そして、お金を限度いっぱい借りたものの、お金は全く得られず、すぐに返済に苦しむようになります。

ここでようやく、冒頭のことばの回収です。教えられたやり方ではお金が稼げない、借金が返せないと相談すると、それでは別の稼ぎ方を教えるよと言われます。営業の仕事をしよう。契約を取ってきてくれたら1件あたり●%を渡すよ。そういわれて、マッチングアプリでかつての自分と同じ立場の人間をひっかけて連れてくるように言われます。実際、こちらの方がはるかに稼げるため、気付けば加害側にどっぷり加担する羽目になります。

実際の被害者の声が、記事になりました。

https://digital.asahi.com/articles/ASV1H014SV1HULLI004M.html?ptoken=01KFAFF330EG5T8ACCBG2W919A

後出しマルチの被害が1件でも減るよう、願って止みません。

(石丸 文佳)

2026年1月19日 (月)

司法修習生の皆さんへ

もうすぐ、第79期の司法修習が始まります。きっと、自分の修習地はどこになるのか、どんな生活が待っているのか、わくわくしている頃かと思います。

司法修習が始まったら、ぜひ、以下のことをやってみてください。

 

1 神山啓史弁護士の「チェックリスト」をお手元に

刑事裁判や弁護の実務修習に行く際は、神山啓史弁護士の「チェックリスト」を持っていくことをお勧めします。以下の第二東京弁護士会のサイトから入手できますし、導入修習でもこの内容の課外講義があるかもしれません。

(前編)

https://niben.jp/niben/pdf/20-2_tokusyu1_NF11.pdf

(後編)

https://niben.jp/niben/pdf/36-43_tokushu2_NF12.pdf

 

3 神山ゼミにもご参加を

そして、刑事裁判の理想と現実を見比べて気付いたことや、なぜ現状ではだめなのかということについて、毎月の神山ゼミで一緒に議論できればうれしいです。神山ゼミは予習不要、オンライン参加可能なゼミですので、ぜひご参加ください!

 

2 本庁だけでなく支部にも積極的に

本庁と支部とでは、法曹三者の距離感など、雰囲気が大きく違います。どんな人が、どんな場所で、どんな考えをもって働いているのかを知ると、将来の選択肢が広まると思います。もし弁護士会の企画などで、支部に行く機会があれば、積極的に参加してみてください。

 

あっという間に司法修習は終わってしまします。ぜひ、修習生の間しか経験できないことをたくさんして、楽しんできてください!

(江平 歩佳)

2026年1月10日 (土)

モデル報酬の作成

刑事弁護の報酬の問い合わせを受けることがしばしばあります。当事務所も分かりやすく表示しているつもりではありますが、それでも初めて刑事事件を経験することになった方にはわかりづらい点が多いようです。法律事務所ごとに表示の仕方が異なるのも分かりづらい原因の一つになっています。

ある事務所は詳細な価格設定をしており、同業者である私たちにはとても分かりやすいのですが、一般の方が見て容易にわかるかと言うとまた別という印象を受けます。またある事務所は非常に広い価格帯のみを示しています。これは、事件が一つ一つ異なるものであることから敢えて類型化を避けているのだと思いますが、利用者があらかじめおおまかな料金を知りたいという希望はかなえられません。

そこでいくつかの仮装モデルを作成して、その場合にいくらの費用が掛かるかわかるようにしてはどうかと思います。

一例として主婦(主夫)の万引きモデルを挙げてみます。

逮捕の当日家族の依頼で受任。即日接見の上、勾留質問前に裁判官と面談、勾留請求却下の申し入れを行い、それが奏功して勾留請求は却下された。被害店との示談が成立したこともあり、不起訴処分で解決した。

という事案の場合、詳細な価格設定をしている上記事務所では弁護士費用の総額は191万4000円になります。ちなみに当事務所の場合は99万円です。

共通モデルを作成して、広告にはその共通モデルの価格を表示する、あるいは広告に表示しなくても、相談者に求められたら開示する、というようにすれば、利用者にとってわかりやすくかつ公正な価格表示ができると思うのですが、いかがでしょうか。

                                                          (櫻井光政)

 

 

 

2026年1月 5日 (月)

犯罪被害者等支援弁護士制度(新制度)の運用開始

1月13日(火)から、生命・身体に対する重大犯罪や性犯罪等、一定の犯罪被害に遭われた方やそのご遺族に対し、国が弁護士費用等に関する経済的援助を行うことを内容とする、犯罪被害者等支援弁護士制度(新制度)の運用が開始されます。

犯罪被害者やそのご遺族は、被害直後から、捜査機関への協力、加害者側への対応、各種支援のための申請手続きといった、様々な事柄への対応に追われます。どのような対応が必要となるかは事件によっても異なりますが、多くの場合、犯罪被害者やご遺族にとって、これらの対応はいずれも生まれて初めて経験するものばかりです。そのため、種々の対応を弁護士等の専門家に依頼したいと考える方は少なくありません。もっとも、このような方々の中には弁護士費用の負担が困難という方も相当数いらっしゃいます。

これまで、このような犯罪被害者やご遺族の弁護士費用の負担を軽減するための国の制度として、①国選被害者参加弁護士制度、②民事法律扶助制度がありました。

これらの制度は犯罪被害者やそのご遺族への経済的援助として一定程度の効果があるものの、その一方で、利用できる場面が限定的である、経済的援助としては不十分な部分があるといった難点もありました。すなわち、①国選被害者参加弁護士制度は、刑事裁判に被害者として関与する際の弁護士費用を無償化する制度であるものの、法律相談や加害者との示談交渉、加害者に対する損害賠償請求に関する弁護士費用に関してはその対象とされていません。また、②民事法律扶助制度は、原則として弁護士費用の「立替」の制度であることから、最終的には被害者やご遺族に弁護士費用をご負担いただく必要がありました。

この点、犯罪被害者等支援弁護士制度(新制度)の導入によって、令和8年1月13日以降に犯罪被害に遭われた方やそのご遺族で一定の要件を満たした方については、弁護士への法律相談、弁護士による捜査機関への同行、加害者側との示談交渉等に関する費用が原則無償化されます(※ただし、加害者から一定額以上の金銭が回収できた場合、費用負担をいただく場合もあるとされています。)。

ご自身が新制度利用の要件を満たすか確認されたい方は、法テラスのホームページ等が参考になるかと思います。

法テラス(https://www.houterasu.or.jp/site/higaishashien/hanzaihigai-seido-7.html

同制度の導入により、より多くの犯罪被害者やそのご遺族が、早い段階から弁護士による継続的かつ包括的な支援を受けることができるようになることを願っています。

(櫻井優里)

2026年1月 4日 (日)

新年ご挨拶-「人権を守る」と敢えて言うこと

 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

 昨年は排外主義的な動きが勢いを増した年でした。保守を標榜すればどんなに愚かしい言動でも許されるのか、国民はそれを許すのか、と暗澹たる気分になることが少なるありませんでした。

 私たち弁護士の使命は、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現すること」と弁護士法に定められています。今年も、その使命を全うすることに力を尽くす所存です。

 少年のころよく見た悪夢がありました。学校の友人たちと戦(いくさ)に出かける夢です。時には近代的な装備の歩兵として、時には戦国時代の侍として、勇ましく決戦の場に臨みます。ところがいざ戦場に臨むと敵は予想外に強く、味方の友人たちは次々に戦死して行きます。私は怖くなり、突撃して行く友人たちを尻目に一人で逃げ帰ってしまうのです。目覚めた後はひどい自己嫌悪に襲われます。日頃強がりを言っていても、弱くて卑怯なのが自分の本性だと知らされるからです。

 悪夢から解放されたのは、大人になったある時からでした。自分はどう頑張っても強い人間にはなれないけれど、強くなくてもできることはあると考えるようになったのです。戦場で逃げ出す弱虫にできることは、戦争になる前に、戦争を起こさせない人間になることだと考えました。また、戦争に反対したら弾圧されるような国や社会を作らせないように行動することだと考えるようになりました。そう考えるようになると、悪夢を見ないようになりました。

 第二次世界大戦の前夜には、我が国のみならず、世界のあちこちで排外的な思想が盛んに煽り立てられました。今の社会の、そして世界の状況は、歴史で学んだ大戦前夜に酷似しているように感じられます。

 そうした流れに流されないためにも、私たちの職能にとって当たり前である「私たちは人権を守る」ということを新年を迎えるにあたり、あえて言葉に出して宣言したいと思います。

 今年1年が皆様にとって良い年でありますように。

                                                          櫻井光政

 

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